私たちが暮らしに必要なお水は何処からやってくるのか、それはお山からです。どの山からかというと標高が高いお山です。標高1000メートルを超えるお山はまさにお水の貯蔵庫であり水源となります。
英彦山の守静坊に住んでいると、日々にお水の流れを感じない日はありません。一年を通して、お水がほとんど耐えることがなく沢を潤します。滝のように流れ濁流の日もあります。昨年は、もっともお水が少なく井戸も貯まりがよくないこともありました。しかし、水気は常にお山全体を包みどのような状況の時でもお水がなくなることはありません。
このような標高の高いお山には人はほとんど住んでいません。自然が厳しく食料の確保も難しく、暮らしに多くの智慧が必要になります。しかし、水源を守るには人のお手入れが必要になります。例えば、倒木を片付けたり枯れ葉や枯れ木を片付けたりして水路や水脈が清浄であるように配慮します。
他にも人が住んでいないからと誰かがよくゴミを捨てていきます。宿坊周辺もこの数年片づけていますが数十年前の空き缶やタイヤなどの粗大ゴミはまだまだたくさん出てきます。片づける大変さよりも捨てる便利さの方が勝っているのでしょうが、水源のある神聖な場所にゴミを捨てる人の気がしれません。
そのお水がなければ、私たちはいのちを育む美味しいお水が飲めないのです。お山に来て、お水の大切さを伝道することは生活即信仰の生き方を伝承する大切な機会です。
お水をより感じられるように、色々な智慧を工夫していますが有難い水源がこの場所にあることで地域全体が豊かになっていることに感謝ばかりを感じる日々です。
これからわさびをはじめ、様々な薬草を植えて共生していきますがお山の智慧を甦生していきたいと思います。