塩こうじの知恵

昨日は来客があり、塩こうじ鍋を振る舞いました。もともとこの日本人はむかしから麹を食べるという文化の場所です。麹は米・大豆・麦などを蒸して、表面にコウジカビを繁殖させたもののことです。よく日常的に使われる味噌、しょうゆ、日本酒や焼酎、みりんなどを作るのも麹が醸します。この麹は、コウジカビというカビが醸して発酵します。通常は有害な毒を発するのですが、日本の風土で長い時間を経て進化したこのカビは人間と共生して私たちの健康を支えてくれました。

よく感染症が流行る時期などは、甘酒をつくりみんなで飲んで免疫を高めて乗り越えたという文献がたくさん出てきます。塩こうじは、この甘酒の塩版のようなものです。

以前、秋田の三五八漬けにはまったことがあります。これは塩と米麹とお米の割合のことをいい保存食として活用されてきました。塩こうじの起源もこの三五八漬けが起源ではないかといわれています。今のように調味料になったのは最近のことだそうです。ウィキペディアにはこうあります。

「古くは本朝食鑑の鱗部の巻「鰯」の箇所に「或有甘塩者有糟漬者有塩麹漬者号曰黒漬」という下りがあり、「塩麹漬」という文字列が見られる。この後長らく「塩麴」に言及した資料は見当たらないが、2001年になって、料理漫画『おせん』の中で、塩こうじが紹介される。2007年、大分県佐伯市の糀屋本店 浅利妙峰が漬け床ではなく、調味料として使う塩糀料理のレシピをブログや本で広めたのが呼び水となり、2011年後半頃からさまざまな利用法で人気を博すようになった。塩麹を利用したさまざまなレシピが書籍や料理教室で公開されており、最近では乾燥タイプや液体タイプも登場している。」

効果効能はたんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、でんぷんを分解する「アミラーゼ」という物質がでて消化を助けます。そして麴菌が生成する必須アミノ酸やビタミンB群には代謝促進作用もあります。

調味料でうまみが出るだけではなく、腸内環境を調え、さらに消化を助け、ダイエットにもなるといわれます。この漬け込むというお漬物の日本人の伝統文化は麹が支えているのです。

御蔭で、次の日はおなかの調子もよく肌もつるつるです。医食同源といいますが、食べ物は本来は薬です。薬と思って食べることによって、私たちは健康への感謝を忘れません。食欲を単に満たすものではなく、有難い健康を保つものだとして食べていくなかに先人たちの願いや祈りもあるのでしょう。

子どもたちにも伝承の食が繋がっていくように、暮らしを調えていきたいと思います。

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