御縁の尊さ

一つの会社や組織を運営していく中で、そこで働く人たちの出会いと別れというものがあります。経営者をはじめ、そこで勤める社員も御互いに未熟者同士ですからその時々の状態では不本意なことも発生するかもしれません。

しかし人はそういう人と人との御縁を通じて成長していくものであり、どう在りたいか、どう生きたいかということに向き合うのもまたその節目節目の自己との正対に由ります。別れが尊いからこそまた出会いもまた尊いことに気づくのが人間のようにも思います。その御縁の御蔭様で、様々なことを学べ、その御蔭様で今が存在していますから何よりも大切なことは、「御縁があったということそのもの」に感謝することのように思います。

ただよく時間が経って省みて思うことは、その時は決して自分の思い通りにならないように思えても実際は自分の思った以上のことが発生していたということです。

以前、この宇宙は目に見える部分が5パーセントほどで残りの95パーセントが目には観えないもののチカラで動いているということを聞いたことがあります。それはダークマターといって、姿かたちのないものが支えるのです。あの星々や銀河に至るまで、その星々や銀河を支えるのはその目には観えないチカラによって支えられているというのです。

実際に人の御縁も同じようなもので、目に見えて発生した出来事は全体の数パーセントで実は残りの90パーセント以上はその御縁の周りが支えているように感じるのです。

その時々は、人は様々な感情を持ち、自分の価値観の世界でのみしか世界を見れず感じることもできませんがその御縁が一体これからどうなってゆくのかと未来に想いを馳せるとき、その御縁の周囲でどんな奇跡が同時に生まれるのかを希望するのです。

人と人が出会う事に意味がないことは一切なく、出会いと別れによってまた新たな道が顕れていきます。その道の全体を支えるものが御縁であり、その御縁に気づける人は目に見える数パーセントのことを何より一期一会に大切に接するように思うのです。

誰かにかける今日の真心の一言や、誰かからいただいた今日の親切は、実はその観えない部分の偉大な御蔭様によって已むことなく永遠に休むことなく行われているのかもしれません。

だからこそ御蔭様に感謝するように御縁を尊び、日々に発生する小さな出来事から全体を想像していけば自ずから御縁の有難さに気づき、御縁の良し悪しという自分の都合で見るのではなく、「御縁そのものが尊い」と感じられるようになるように思います。

常に御縁こそが尊いといつも実感できるように、御蔭様に生きる有り難い実践を積み重ねていきたいと思います。