アライグマとラスカル

藁ぶきの古民家のアライグマを駆除することをしながら深めていると、すぐに世界名作劇場のアニメのラスカルのことが出てきます。このアニメの作者は、まさか日本で大量輸入されて害獣になっていくとは思いもしなかったと思いますがあの可愛いイメージとは裏腹に凶暴で現代では人間にとって大きな問題になっています。

そもそもこのラスカルは、ニッポニカ(日本大百科全書)によればこうあります。

「アメリカの作家スターリング・ノースSterling North(1906―74)が1963年に発表した自伝的小説。作者11歳のときのウィスコンシンを舞台に、彼とアライグマのラスカルの出会いから別れまでを月ごとのエピソードを連ねて語っている。最大の魅力は、光るものの好きなラスカルがダイヤの指輪を失敬し、それをさらにカラスが巣にもっていき、少年が取り返すといったラスカルにまつわるできごとだが、のんきで心優しい父親ほかの登場人物たちや小さな町もくっきりと描写されていて、物語の牧歌的雰囲気を高めている。作者はこの小説の舞台ウィスコンシン生まれ。新聞記者、新聞の文芸欄の編集者などを勤めながら約30冊に及ぶ著作を残した。」

このスターリング・ノースが少年時代に出会ったアライグマがモデルでできたアニメです。ただ漫画のことはあまりよく思っていなかったとも記述されています。日本の「あらいぐまラスカル」でここまでアニメで認識されているとも思ってもいなかったはずです。

このラスカル「rascal」とは。意味や和訳。[名]1 ((戯))いたずら者,わんぱく小僧;悪ガキ2 〔通例修飾語を伴って〕(…な)やつa merry rascal陽気なやつ3 ((やや古))人でなし,悪漢,悪党,ごろつきという意味です。

実際の話でも、大人になったアライグマに手を付けられなくなり、最後は湖畔、森に逃がしてしまいます。ペットブームで年間1500頭が輸入されそれが野生化してしまい、年間2万頭を超えるほどに捕獲されています。

もはやここまでくると駆除もできず、まさにラスカルという具合に農産物を荒らしまわっています。人間はこのように、先のことを考えず今さえよければいい、お金になればいいと欲に任せて動いていますがそれがあとになって本当に大変な目にあっていることがわかります。

自分たちの代ではそこまででなくても、子孫の代になって本当に大変な事態にまで発展してしまうことがほとんどなのです。だからこそ、海外から輸入するものは特に気を付けなければなりません。グローバリゼーションで、世界の隅々のものが近所のスーパーに陳列する時代。どんなウイルスや病原菌が混ざってしまっているのかもわかりません。

少し先の時代を予測して、今から私たちは暮らしを見つめ直す時機に来ていると実感します。子どもたちのためにも、未来に向けて選択と決断をしていきたいと思います。