治癒への感謝

人間の身体はとても不思議な構造を持っています。私たちが感じている五感というものとは別に、誰しもが第六感というものが備わっているといいます。それは例えば、タイミングを見計らう直観であったり、塩梅を見極める加減であったりもまた第六感です。

他にも人間の血液は心拍にあわせ、体の中を一日に96,540kmも巡るといいます。これは地球外周に換算すると、二周以上も毎日回っていることになります。また心臓のポンプは、血を高さ9メートル以上まで飛ばせるほどの力があるともいいます。鼻が記憶できる匂いも50000種類以上といいます。

それに人間は新陳代謝し古いものが新しいものと入れ替えますが1分間に3億もの古い細胞が死滅し、そして再生させているといいます。この3億は人体の細胞のうちの、たった0.0001%ほど。そして死滅した細胞の代わりに100~500億もの細胞が日々に新しく生まれます。これは死ぬまで私たちは甦生を循環させ続けているということです。

どれも深めれば深めるほどに、人知を超えた存在が自分の肉体であることに驚きます。いくら科学が進んでも、人間はその身体の中の不思議の一端に触れただけであり、全体を知ることはほぼ不可能です。

これは宇宙の存在に似ています。だからこそ人間は、この不思議な宇宙と共に生きてこの今を味わうことができるともいえます。

そして身体はそもそも治癒しようとします。私たちの人間の身体は常に生きようとします。生きようとしては、様々な病気と付き合い調和し整えて日々に治癒します。

疲れてもよく休み眠れば翌日には恢復する。これは治癒が働いているからです。だからこそ、その身体の治癒を邪魔しないことが自然治癒でもあります。身体がどうしたがっているのか、何をしようとしているのか、それに応えること。

これは自然農の仕組みととても似ています。

自然農は、耕さない、草も虫も敵にしない、持ち出さない持ち込まないとあります。これは自然であることを邪魔しないという仕組みのことです。同じく、身体の治癒を邪魔しないようなことをやればいいともいえます。

例えば、無理をしない、身体の邪魔をしない、変なものを入れたりしないなど、いくらでも似たものは考えられます。大事なのは、身体が求めているものに従うこと。自然に治癒するのを信じることなどで身体の不思議が働きます。

身体を声を聴いてどうしてほしいのか、それに気づくために病気を得るともいわれます。病気からその意味を知り、身体と一緒に治癒への感謝を味わっていきたいと思います。