御光様

今年を振り返ってみると、人生の節目になるような大きな出会いがいくつもありました。人間は出会いがあることでお互いに大きな影響を与えます。自分がそうであったように、自分もまた同じように出会いによって影響を与えるようになるのです。

以前、御蔭様と同じように御光様というものがあるとお聴きしたことがあります。

陰ながら見守ってくださっている存在への感謝が御蔭様だとしたのなら、この御光様はたくさんの光を浴びせてくれた存在への感謝になると思います。

今年は、ずっと師事していた鞍馬寺の貫主様がご逝去されました。十五年間、ずっと振り返りを一緒にしていただきご報告していた存在がなくなるのは言葉にはできないほどです。

しかしその15年間のいただいた言葉をもう一度、整理して纏めていたらその言葉がその生き方が自分の中に存在して生きているのを実感します。私はずっと貫主様の御光様をいただいてきたのがこの時初めて実感できたのです。この有難さもまた言葉にはできません。

だからこそ今度は、その御光様をこれからは別の方々に与えていくのが私の役割ではないかと感じたのです。そうやって御光様を意識して与え続けているとき、自分と一緒一体になって子孫のため人類のため、このいのち輝く世界のために実践している実感があります。

人は出会いによってその御光様を与えあう存在なのかもしれません。自分の中にある御光を無償で見返りもなく与えるとき、徳が育ちます。みんなそうやって誰かのために、そしてみんなのためにと助け合い支え合うことで生きてきたのです。

これからもこのいただいた御光様と出会いを大切にして、残りの人生を悔いのなきように初心を貫いていきたいと思います。本年も一期一会のご縁をいただき感謝しています。来年もよろしくお願いします。