暮らしフルネスの基本

人間は感覚を研ぎ澄ませていけばあらゆるものと対話をすることができます。それは動物のようなものから植物、昆虫、菌や細胞、あるいは無機物であっても対話はできます。それは言葉として言語で対話するのではなく、指先をはじめお互いの心を寄せ合い、聴くことによってできるようになります。

まずこの聴くというのは、すべての対話のはじまりです。

人間は思い込みや先入観、自分の価値観が先行していますからほとんどは聴いていません。聴いていないから対話ではなく、お互いの思い込みでなんとなく折り合いをつけているだけです。言葉をそれを補うために用いられ、脳が解釈したもので勝手に推察して洞察します。

推察や洞察は、真実のようでほとんど嘘であり、本質とは似て非なるものです。確かに外側からの客観的な現象としては正解であっても、深層や本当のこととは異なるものです。

私たちは地球で生活していながら心を用いて対話をします。心は聴くこともできれば観ることもでき、そして対話することができます。そのためには、自らの心との対話を磨いていくことが優先されます。

自分の心の声を聴いているか、これが大前提になければ他人との対話はできません。

心の対話は体験や経験、そして内省や実践によって磨かれます。具体的には、私の場合はお手入れといって懐かしい古いものを甦生するときに修繕したり、日々に瞑想して振り返りをしたり、自然物と触れ直観を観察しています。お水や光や炭火、土づくりなど自然の精霊的なものに触れてそれを養うことも実践します。

これを私は暮らしフルネスという言い方で、伝承しています。

暮らしフルネスの基本は、対話であり聴くことからすべてがはじまります。

子どもたちのためにも、その背中を通して色々な感覚を用いる豊かさや心の安心を伝えていきたいと思います。