順応

生き物は環境にあわせて順応するのは、昔から周知の事実である。しかしそれがどれくらい長い時間をかけてするものか、短い時間でするものかなどはまだはっきりと定義されていない。

特に、3つ子の魂100までなどとこの時期の子どもは一生分の学びを獲得するともいわれその成長と学びのスピードは短い時間で目に見えるほどのものになっている。しかし、その後は次第に緩やかになってきて長い時間をかけて順応していくようにも思える。

これは人間だけではなく鶏も同じく、虫も同じくまず生まれればすぐに新しい環境に順応しようとする本能が存在しているように思います。その時期に食べるもの、その時期に感じる空気、その時期に感じる環境、そこに生まれおちればすぐに順応できるのは変化になるための生き物たちの智慧であるのだと思います。

鶏でいえばヒナの時に、どのようなものを食べたか、どのような環境下だったかが一生を左右することははっきりしているようです。ヒナの時に生のお米を食べさせれば生涯胃腸は強くなるそうですが、そうでない柔らかいものだけを食べさせていれば胃腸も弱くなり固いものを食べさせるとお腹を壊すようです。

そのほか、室内の総合空調に入れてしまえば外に急に出せば体調を壊し、抗菌や予防接種などで抗生剤などを随時入れれば、いつも病気に負けやすい体になっていきます。

これはもともと強い弱いが問題ではなく、環境に順応しているともいいます。

生き物は、五感を使ってありとあらゆる神経を働かせその環境下に自分を適応しようとしていくものです。厳しい自然の中で棲んでいれば、当然神経も研ぎ澄まされ野生のような感性を身につけます。そうではなく、生ぬるい人工的な中で住んでいれば、神経は鈍り頭でっかちになるものです。

それも何かのせいではなく、順応しているともいえると思います。

人間は、文明の中で様々な工夫を凝らして今まで生き延びてきました。
如何に今の社会に調和するかは、この先を考えても大切なことです。

人であることを正しく見つめてゆっくりと自然の中に入っていこうと思います。