自然の仕組み

人間は学ぼうとすればどこからでも学べます。道を極めようと精進する中で、道の奥深さや道の弘がりの楽しさを知ってしまえば人は学ぶことを已めません。学ぶことは生きることですが、生きることは道を歩むことであろうとも思います。

最近、ある発見をしたのですが人間はウィルスに感染して体調を壊すことで風邪をひきます。そもそも私たちの身体はミクロの世界の集積で存在できているといっても過言ではありません。

腸内細菌から皮膚の常在菌といった菌類から、もっと小さな各種のウイルスが私たちの身体に宿っています。この宿る仕組みにも自然が入っているのが自明します。

一般的にウイルスが身体に侵入すれば、そこから一気に増殖していきます。それを退治するために免疫細胞が働きウィルスをやっつけては追い出そうと熱をだし、体の隅々までフル稼働して崩れたバランスを取り戻すために自然治癒を行います。

この時、それでも増殖をしようとするウィルスは消滅しますが宿主と共生しようとするウィルスは残ります。言い換えれば、宿主を破壊しようとするウィルスは次第に数が減少し、宿主と共生して種を遺そうと選択したウィルスはそのままそこに残り宿主を守る側として生き残るのです。

つまりは風邪をひけば免疫がつくと科学では証明されていますが、実際はウィルスも変異し一緒に共生し貢献する方を選択するのです。

これは自然の法理の一つです。

自然界では、様々な生き物が温度や湿度によって大量発生したりまた激減したりを繰り返します。微細なバランスの中で、ある一定の数が行き来するのです。これは種を遺すためのそれぞれの生命の戦略であり、それらの生命が地球に宿りつづけるために繰り返される自然の仕組みでもあるのです。

人間から見れば、守るとか守らないとかは人間のみを中心に考えているものですが自然界ではバランスを守ろうとします。そうやってそれぞれが発生しているのには、バランスを守ろうとするための大切な働きがあってのことです。

ここから考えてみればすぐにわかりますが、自然に沿っているかどうか、自然に自らが近づいて共生するかどうかは、ウィルスと同じく自らで選べます。いつまでも増殖を続けていけばそのうち天敵により減退していきます。増殖よりも共生を選べば少しでも長く宿主のお役に立ちながらともに生きながらえることもできるのです。

これは地球を宿主と見立てた時に、それぞれの生き物たちがどのようにしているかを観れば仕組みは一目瞭然です。太古の人間たちもその生き物たちの仕組みに外れないように共生を優先しその自然の仕組みを生活に取り入れていたのです。

欲に塗れて増えすぎていたらどうなるのか、私たちは自然から学び直さなければなりません。

このように種の保存というものは、身近な自分の身体(自然)の中からも学び直せるものです。ミクロの体験からマクロの体験までバランスよく味わっていきたいと思います。