和菓子のはじまり

落雁のことから和菓子のことも深めています。もともとこの「菓子」は縄文時代、古代の人々がお腹が空くと木の実や果物を採って食べていたのがはじまりともいいます。木の実や果実を間食する、これが「果子」(かし)の原型なのでしょう。

今でも、お菓子といえば間食するものではありますが古代のころは食べ物を加工する技術もなく、果物の甘味はとても特別なものだったように思います。縄文時代の遺跡からは栗や柿などは栽培されていたことがわかります。それを次第に石臼などで加工する技術が発展してきました。

農耕はしていたもののどんぐりなども食べていたことがわかっています。そのどんぐりや木の実はアクが出ますから水にさらしてあく抜きをしてそれを丸めたものが発明されました。これが団子のはじまりともいいます。そして日本最古の加工食品ともいわれる「御餅」も発明されます。貴重なお米を原料にしたのでこれは神様に備える神聖なものとして重宝されてきました。

その後は、中国(唐)との交流や茶道が発展しこの菓子はさらに進化していきます。多様な素材や季節感を取り入れながら日本独自の和菓子という言葉も誕生しました。

和菓子には日本人の美意識や歴史の結晶ということになります。

和菓子には代表的なものとして、お饅頭、お団子、羊羹、上生菓子などあります。この和菓子は材料や製法で分類されることやその水分量によっても分類されることがあります。水分量が多めの生菓子と半生菓子、干菓子などで分かれることもあります。

実際には、全国各地のその風土と風景と一体になった和菓子があり膨大な種類のものが日本には存在します。その土地の名産であったり、饅頭などはその土地土地で材料も味も、見た目も異なります。

多様な風土と和合して和菓子は今まで発展してきたのです。

現代では、和菓子の不人気なども相まってかなりの種類の地域の和菓子が失われてきました。長期保存ができコンビニで買える便利なスナック菓子を食べているうちに、多様な文化と風土のお菓子が消えていきました。

私は柏屋さんの饅頭が理念を含めて大好きですが、日本を代表する伝統和菓子が子どもたちにも受け継がれていけばいいと心から感じます。どんなものにもそのものの始まりと風土、歴史、文化があり、それを食べることで私たちは地域とのつながりや循環を繁栄させていきました。

食べることはただ自分の欲望を満たすためのものではなく、私たちは食べることで自然との感謝や共生、豊かさや幸福などを創造してきたのです。日本を代表する和菓子が、日本の未来を美しく彩るように暮らしフルネス™を通して見守っていきたいと思います。