根とは何か

全ての生き物には「根」があります。その根とは植物の根のところの根を指すのではなく、「先祖」という意味に換えてもいいのかもしれません。

島根に来るとなぜかいつもその根のことを思い出します。ここには日本(八島)の誕生(根)が深く関わっているから島の根なのかもしれません。不思議なことですが、太古の神話にあるいづもにいのちといのりの縁結びがあるのもまたこの根に深く関わるからなのでしょう。

そもそも私たちは今存在しているのは、遠い昔に先祖たちがあったから存在しているとも言えます。当たり前すぎて思い出しもしなくなりましたが、いのちにはすべて根があって今があるのだから根のないいのちなどこの世にには存在しません。自分中心に今に執着し当世ばかりを追いかけては「根」があったことを忘れてしまうのが現代でもありますが、本来の根っ子である私たちもまた連綿とつながるその根の一部であるのは自明の理です。

この根をどう直感するのか、その生き方の根を観れば分かってくるように思います。

昨日も見守るの理念でここの風土で誕生している保育園の実践を拝聴していくと、そこにあるものを活かす、勿体ないと活かす、そして伝承するという智慧を直感することができました。

ここの風土の中にある、先祖代々のものを伝承していく智慧は今の社會に必要なことではないかと思います。昨年より初心伝承をはじめていますが、伝承には常に初心があり、その初心を省みるとき必ず根の心に触れることになります。

そして”いのちのハタラキであるいのり”もまた根の徳です。

今回の御縁で何が結和していくのか、引き続き根を深めてみたいと思います。