万人共通の理念と智慧

GTサミットが無事に終了することができました。毎年この時期に、全国から集まり理念を共有したり新たな一年の方針を確認することは明日への活力になります。昨日は、来年改定される保育所保育指針についての解説と改定のポイントについて藤森代表より話がありました。

昭和40年に制定された保育指針は、平成20年にこれまでの局長通知から厚生労働大臣による告示になり遵守すべき法令として示されたものです。これは保育園においては何よりも優先されるルールであり、この保育指針に沿って保育をしているかどうかが何よりも重要だとされています。

告示化されたものをどれだけの人たちが真摯に捉えているか、全国の保育現場をみていたらまだまだその重要性を理解していない人たちが多い様に思います。同様に遵守するものとして子どもの権利条約というものがあります。

これは1989年に国連で採択され、1990年国際条約として発効 しました。日本は1994年4月22日に批准し、1994年5月22日に発効されました。しかしこれもどれだけの教育機関や施設が重要性を理解しているかを見ているとあまりこれも理解していない人が多い様に思います。

子どもが自分らしく育つ権利というものは、世界中で認められているものです。そして子どもが自分らしく発達することを保障されていることもまた同じく日本としても国家としても何よりも守っていこうと法にまで昇華されたものです。

しかしその法律を違反するような保育や教育が行われていて、好き勝手に大人の都合で子どもの子どもらしく育つことを邪魔されたのなら子どもの人権というものは蔑ろにされてしまいます。子どもが施設で犠牲になる報道が増えてきましたが、もう一度、この当たり前のルールに沿って保育を実践するということの意味を見直す必要があるように私は思います。

そしてこの子どもの権利を守る組織は、職員の権利を守られる組織であり、組織のリーダーだけではなく保護者、関係者も含めて守られる組織になります。子どもの権利条約は大きくは4つに構成されています。

この4つは、「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」です。お金や経済ばかりを優先するあまり、当たり前ともいえるこれらの人として安心して暮らしていける権利を奪っていくという組織になってしまうのは、この大前提としての子どもの権利条約や保育所保育指針を遵守しなくなるところからはじまっています。そして保育所保育指針は子ども一人ひとりの発達を見守る保育をするということに尽きます。

何を拠所にして保育を実践するかはそれぞれの施設の方針があるのでしょうが、私たちはその前に世界で共通する理念や、人類が共通する智慧をもっと大切にしていく必要を私は感じます。

今の私たちが生活できているのは、このように世界が人間の生き方を大切にし、人類が先人からの智慧を大切に守ってきたからです。それを言語化しているものが、これらの子どもの権利条約や保育所保育指針であるのを忘れてはならないと私は思います。それが何のために行うのかの源泉であり、まさに万人共通の理念と智慧の結晶だからです。

引き続き、私たちもミマモリングを展開する事業者として保育所保育指針の重要性やその真価をしっかりと現場に伝えていきたいと思います。