最弱最強

今回のシンガポール訪問でいろいろと国家の姿を学び直す機会になりました。シンガポールは一部の人たちからは独裁的だとかいろいろと言われていますが、実際に国民たちの満足度やその国民たちの生活度をみれば民度の高さを感じます。

多人種多文化多言語の人々が、同じ国の中で仲良く生活を営み共に尊重しあう姿は他を排斥しているようには見えません。そこで暮らす人たちがより良い暮らしを行えるようにすることは一家の主として当たり前のことです。

シンガポールは、国民に節約の習慣を持たせたり礼儀作法を身に着けるために規則や罰則なども設定しています。しかしよく考えてみれば、自分たちの国をみんなでよりよくし暮らしの質を高めていこうとするのなら一家の主と共に家人たちが身につけなければならない教養になるはずです。

よくシンガポールは国家を一つの企業に見立てて経営を行ったと評されますが、実際に建国したときの首相の初心は自分たちの家族が飢えず安心した住まいを持ち、質の高い生活ができるようにと祈り国家の運営を実践してきました。

国というと運営が難しいように見えますが、一家の運営をどうすればいいかと考えれば自ずからその国の形も観えてきます。未来に向けて自分たちがどのように生き残るかを考え、世界をよく洞察し自らの布置を予見し国家を導いたリーダーがいれば自ずから国家は豊かになっていきます。

改めて理念のあることの価値とその素晴らしさを実感しました。

私たちの会社も持ち味を活かし、シンガポールと同様に生き残っていかなければなりません。そのためには、戦略を持ち、その戦略が実行できる戦術を駆使して、未来の世界の中でどのような役割を果たすのかをしっかりと見据え実践躬行により自らを近づけていくしかありません。

大切なことは、その理念が向かう先に目指す理想があるということです。

シンガポールに来てみると、とても勇気と自信がわいています。アジアの小さな何もなかった国が、今ではこのような豊かさを持ちアジアの中での大きな役割を担っている。アジアの自信の一つになっていることを思えば、私たち日本も自分たちがアジアの大きな役割を担っているという自覚を持つ必要性を感じます。

私や会社も無名で何も国家全体の政治に影響を与えるほどのものではありません。しかし在野であっても志を持つ以上、子どもたちのために最善を尽くして最弱最強の一つのモデルを築き上げていきたいと思います。