和魂洋才

オランダでの2週間以上に及ぶ海外視察が本日で終了した。

本当にたくさんの邂逅が得られ、また多くの貴重な体験と見聞することができた。
これもすべてリヒテルズ直子さんの見事な段取りの御蔭で本当に心から感謝しています。

オランダは、日本がヨーロッパで一番古く交流を持つ国。
約400年以上も国交を持ち、様々な文化が九州から全国へ伝播して今でも文化の中に様々な形で組み込まれ残っている。

オランダ人の印象はあまり偏った宗教観はなく、フラットにそしてストレートにオープンに相手の意見を受け入れてそのものの意味を大事に捉えて考える民族。

今の日本がまさにこれから近い未来に学ぶ必要があるものがここオランダにはすでにある。

明治維新の頃、激動の国際環境の中でこの日本がどう世界と向き合っていけばいいかを真剣に考えた人たちがいたから今の日本はこれだけの大国になった。

その時、多くの志士たちがそして深い使命感を帯びた人たち一人ひとりが壮大な危機感を持って、この国をどうしていくのかを語り合い、議論し、憂い、行動に移した。

そして世界から学び日本としてそれをどう受け容れるかを文字通り命がけで取り組んだ。

アジアをどう引っ張っていくのか、アジアをどう守るのか、その頃の日本は本当に大事な意味と役割を20世紀に果たしていた。もちろん戦争は絶対にいけないし正当化する気はまったくないが、その深い使命感に帯びた人たちが世界の平和を願っていたからこそ今の日本があるのではないかと私は思う。

21世紀に入り、また国際社会の俯瞰図バランスが変わりつつある。強大国アメリカが衰退のサイクルに入り、国家の興隆や経済の潮流が中東やインド、中国へ移りはじめ、EU欧州の統合連合により、世界の均衡はより微細なバランスの上で保たれるようになっていく。

そしてそれは一つの時代の終わりを告げ、新しい時代の始まりを意味している。歴史とは、過ぎているときに知っていてはもう遅く、今まさに何処にいて何処に向かうのかを理解しているからこそ歴史を洞察する意味があるのだ。

歴史は動き、人も変わる。
価値観が揺れ動き、これから宿命的に世界がもう一つ先の波乱を呼び起こす。

そういう世界においての日本の役割とは一体何だろうか?今のままでそれは与えられるのだろうか?これから私たちはどこへ運ばれてしまうのだろうか?そんな受け身でいいのだろうか?私たちの先祖が願っているもの、そしてそれを受け継いだはずの私たちの若い世代がこれから担っていくものは本当は何なのだろうか?今、本当に我が国がやるべきことは一体何なのだろうか?

それを知っている私は本当は一体何をすることが最善なのだろうか?

それを思うとき、如何に我々は正しく世界から学び続けることの絶対的大切さを思う。

日本人は日本語圏のみの島国に育ち、教育で視野を狭まらせ、官僚的な癒着と昔ながらの村的根性で粘着して富を中心に価値観を単一化しようとする。

世界は、もう開いていて今こそ私たちの和魂が世界へ飛び出し、それぞれが西洋のもっとも優れた部分を吸収してそれをアジアを中心に改革して調和を担うべきではないか。

和魂洋才とは、本来、聖徳太子から引き継がれた大切な我が国の創始理念「大和」の心と精神性を忘れずに世界の立役者としての使命を果たすことではないかと思う。

私自身、何をすれば最も良いかなどはっきりいって大きすぎてわからない。

だからこそ自分にしかできないこと、そして「已まぬ已まれぬ大和魂」を頼りに和魂洋才の民の血を信じてできる限りのことを遣り尽くしていきたいと思う。

大和の心を幼い子どもたちに少しでも推譲していけることを祈念して一歩一歩噛み締めながら流されないように歩んでいこうと誓う。