フラットな社会性

昨日はJASのコンサルタントでもあり、3校のイエナプラン学校校長を兼任するリーン氏の研修に参加させてもらった。研修のテーマは、「通知表とポートフォリオ」について行われていた。後半には、ダンスをテーマにしたワークショップなどもあった。

オランダでは、研修を毎月水曜日の午後から取れるように午前中授業で学校は終わり、午後からの時間にそれぞれの先生が自らで選択した研修を受けたり、また学校内で主催する研修に参加したりしてスキルを磨いている。

このイエナプランでは、2年間の研修を通して受講した先生にイエナプランの認定資格を出している。参加している人たちは、一回に15名から25名ほどだそうだ。

研修のやり方などは子どもを中心にイエナプラン校で教える方法と同じやり方を取り、サークル対話からはじまり一人ひとりを受容しながら子ども中心の考え方についてともに学び合っていくというもの。

リーン氏はとても優しい眼差しと共感、受容ができていて研修ではみんな安心してコミュニケーションができているようだった。

オランダでも、子ども中心でやりたいのに他のベテランの先生や校長が一斉教育をやっていて自分だけが学校で孤立して苦しい立場にあると涙している先生がいたり、校長や教頭とあわずにやりたいことがやらせてもらえずにストレスを抱えているなどの相談も出たりしていた。

ある意味で、世界はどこでも同じで先生というのは一人でクラスを持って子どもを見ているといっぱいいっぱいになってシンドイのだろうと思う。真剣になりすぎたり目標や理想が高すぎるのもあるのだろう。それに責任感が強いのも教師の特徴だ。だからこそそういう状況にあってもこのコースを受けている仲間たちで励ましたりしてみんなで子ども中心の教育を信じようと努力していた。

EUでも子どもの人権重視と当然浸透しているし詠ってはいても実質はどこか大人目線になっていてそれに気付かずにそのままにしている学校がほとんどだし、オルタナティブと呼ばれる学校が特殊で少数派で大半の多数の学校は伝統的な昔のやり方で正しいと暗黙的に意識されている。

どんなに外側の環境が変わっても、本質的に自分が変わろうとしなければ結局人は変わったことにはならないだろうと改めて感じた。

気づきのキッカケを用意するというのは、本当に理念がいるし信念が求められることなのだろうと思う。

イエナプランの強みは、GTと同じで実践重視のところだ。

GTでも藤森先生の保育実践を通して、如何に子ども主体を実現しているかのモデルを示すことができてそれが「書かざる経書経文」のように肌を通して感化されていく。

いくら具体的に理論がいくらあっても実践がなければ伝わらない。理論が先か後かについては広がっていく段階で求められているだけなのだろうと改めて感じた。

やはり私が感じる普遍的に大事なことは理念を固めることであり、それがなくてはどんなに形式で学んでも本質的に子どもの声を体現できるまでにはいかないのだと思う。

最後に、とても参考になったのは協同的学びのバリエーションの多さだ。日本ではずっと上下の関係は開発されてきたけれど左右の横同士で課題を発展的に解決していく方法などはあまり研究されていない。

この国は民主主義の源流が深く流れているだけに、とてもフラットなみんなと一緒にやっていくためのノウハウとデータベースが構築されている。その考え方ややり方などの工夫をして円滑にいくように努めているのには流石だなと思った。

子ども同士の関係性を創造して場と機会を提供していく環境のお手伝いをするカグヤとしてもこれからはもっとその辺を調査研究して日本の実践現場にあうものを構築していきたいと思う。