生まれ変わる

日々というものは、体験をすることで新しく生まれ変わっていくものです。一日の体験次第で、人は新しいことに気づき、そして変化していきます。どのような体験をしたかが生まれ変わりとしたら、私たちは生まれ変わるために繰り返し生きているともいえる存在です。

これは一生の人生でも同じです。人生は自分として様々な体験をします。もしも目の前の人や、周囲の人に自分がなったならそれはその人の体験になります。この人生の体験は自分だけのもので、それをしっかりと体験して次にいきます。

時間という概念を超えてみると、私たちは悠久のときに何度も体験を続けているだけの存在です。体験することで何を得るのか、それは生まれ変わりを得るということでしょう。

私は、甦生家としてあらゆるものの甦生に手掛けていきます。これはいいかえれば寿命を伸ばすことですが、もう一つ別の見方をすれば別のいのちを体験させるということでもあります。

本来、ある役割や役目をもって生まれてきてその役目が一つの節目になります。それを終わらせるのではなく、まったく別のものとして生まれ変わらせていく。これは別の体験をしていくということです。簡単に捨てるのではなく、永遠に生まれ変わる機会をつくるということでもあります。

私がなぜそこにこんなに興味があるのか。一つは徳の循環に気づいたからです。もう一つは、体験したいという好奇心がすべての存在にあるからです。私たちはどのようなことも体験したいという思いがあります。これは体験を顕現するということです。私たちが感じる森羅万象はすべてこの体験の顕現です。

そして私が昨年から甦生している宿坊や修験の甦生で感じるのもまた、この験のことです。この験とは経験ともいい、体験することで得られる境地を表現しているものです。

つまりは私たちは起きた出来事の良しあしではなく、重要なのはその験によってどう生まれ変わったかということ。どれだけのいのちを甦生し循環させていったかということに重きがあるのです。

自然の摂理や自然の循環、地球も宇宙もまさにこれを行っている存在なのでしょう。

子どもたちにも普遍的な生き方を伝承し、生まれてきた喜びや仕合せを感じられるような環境をととのえていきたいと思います。