暮らしの言葉

女房言葉というものがあります。これは室町から江戸時代に宮中に仕えた女官たちが使い始めた造語のことです。今でも時代の変化にあわせて、新しい言葉を作り続けています。今はどちらかというと、便利や効率優先の世の中になっていますから省略した言葉が増えています。例えば、コスパやリスケやぼっちなど、なんでも略していきます。少し長い言葉が出れば、すぐに略するもので語られます。

しかし日本の女房言葉というのは、どういう背景でつくられたのかというと宮中で働くというのは今でいう官僚の中でも特に優秀でエリートたちの職場なので上品な言葉で語るところから発生したともいわれます。その時代たちの女性の憧れの職業でまた、お宮の品格を保つように工夫されたのかもしれません。一般的には、衣食住に関する言葉が多いといいます。

例えば、おでん、おから、おこわ、おじや、おにぎり、おはぎ、おかか、おひや(お冷や)、おかず、おつむ、おなか、おまる、おなら、おいしい、などあります。そう考えると、室町時代から約700年近く今でも使い続けている言葉というのはすごいことだと感じます。先ほどの、コスパやリスケなどはそんなに長く使うことはないことは簡単に予想できます。

暮らしの中で親しみをこめて使われてきた女房言葉は、今の時代の人たちの暮らしにも定着して共に生き続けて伝承しているということでしょう。

おにぎりやおなか、おいしいなどはほぼ日常的に使われます。

改めて、自分が使っている言葉がいつはじまり、どのような経緯や意味、そして文化や歴史があるかを考えていくことはとても大切なことだと感じます。このブログでも、何気なくつづっている言葉もそれは数百年の歴史があり、その言葉が誕生した背景があるという事実。

言葉に深い親しみを感じます。

子どもたちにも、暮らしの中で使っている言葉がどのようなものかを伝承しつつその言葉を大切にして過ごしていきたいと思います。