先人と食の知恵

私たち生き物は、ほとんど食べるために進化してきた生き物ともいえます。私たちの脳も、食べるために肥大化してきました。どんな生き物も食べなければ生きていけません。これは自然界の掟でもあります。今の時代は、食べ物には困りません。日本は特に食べ物の消費も廃棄も膨大ですから、食べ物が食べれなくなることは今では想像することもあまりありません。

しかし実際には、歴史を紐解くと江戸時代に4回ほど大飢饉もあり、世界にはさらに悲惨な大飢饉があり飢え死にしたことがたくさんありました。まさか、食べ物がなくなるとはと思わないようなときにこそそのまさかがあります。

そんな時、先人たちはどのように乗り越えてきたか。そこに私たちの民族の食のルーツもあるように思います。特に保存食などをみてみると、私たちは災害に備えてあらゆる保存食を工夫してきました。それは美味しいだけではなく、栄養がありいのちを助ける救荒食品でもあったのです。

例えば、鰹節や梅干し、干し野菜、漬物、味噌などは、その代表格でもあります。さらには、根菜や果物、野草などもですがいざとなるときに助けになりました。穀物においては、持ち出しもでき種でもあり食品でもありましたから最も重宝したはずです。

現代は、災害時はコンビニのものがなくなるから多めに買いだめしておけばいいと思う人も増えていますがそれは本当に数日程度から1か月くらいまでのものです。水の問題、火の問題もありますが、私たちはいのちを食べていますからやっぱり自然のもの、生き物を食べて健康を保ちます。

まさかと思って想像していませんが、もしも世界全体で大気候変動があったり、あるいは世界戦争が起きたなら札束や黄金も食べれません。国家もそうなった場合は、どれくらい助けてくれるのかもわかりません。むかしの資料をみていたら、国家にもその時には貯えがなく国家の補助だけでは餓死したともあります。

だからこそ一人一人が、みんなのために何ができるかを考えて今から準備しておく必要性も感じています。

子どもたちのためにも、種を残し知恵を譲り、少しでも力になっていきたいと思います。