徳の積み方

商売というのは、奥深いものでその商売によって救われる人たちがたくさんいるものです。近江商人が商売の道の中で、売り手よし、買い手よし、世間よしがありますがみんの仕合せや喜びが、どの範囲まで広げているのかでその徳の積み方も変わってくるように思います。

結局、人間は生き方で何のためにそれをやるのかということが大切なのでしょう。利益というものもまた、その利益は何のために使うのかが求めてられていますし、利益を自体が何をしてでたものかということも関係があります。

お金があるかないか、売り上げがあるかないかではなく、何のために事業をしているのかによって事業を実行するために資金が必要という意味ではお金や売り上げは後になっているのもわかります。

松下幸之助さんの言葉に、「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。」があります。これもまた相手のためになるものを考え、世の中がどうすればよくなるかを考えて事業をせよということかもしれません。

自分がどうあることが、世の中が善くなるのか。そこに経営理念というものがあります。経営理念を実現するために事業が必要で、その事業を継続し発展するために利益があるということでしょう。

これは身体に置き換えてみるとわかります。何のために生きるのかを初心として、それを実践するためには健康も安心も平和も必要です。日頃から体力をつけて、健康を保ち、日々に心を調えて内省し、今を大切に使って精進していくなかで継続し発展していきます。そしてその初心や理念に共感する人たちが現れまた継承していくのです。

人類は気が付くと、最初に目的を定めたところを後続が色々な方法で試行錯誤していく真っただ中です。例えば、平和な国家を築こうとしてはじめてその方法が色々と時代の影響を受けて変化していきます。1000年経っても、2000年経っても実はあまり変わっていません。しかし、本当は何をしているのかということを鑑みるとき原初の目的を追い続けているということがわかります。

例えば、人は魂を磨くということを目的に産まれてきます。すると、人生はその道場ということになります。善いも悪いもなく道があるだけというのはそういうことかもなのかもしれません。

だからこそ、自分の今を真摯に取り組む中で必要なことは、目的に照らしながら創造することが大切なことのように思います。そうすると、利益とは何か、事業とは何かということの本質も姿を顕していくからです。

子どもたち、子孫のために徳を積んでいきたいと思います。