風邪と元氣

この数日、久しぶりに風邪をひいて寝込んでいます。むかしはよく連休中や正月などに体調を崩して寝込みました。日頃、氣を張っているからか少し長い休みになると氣を抜いてしまいます。そもそもこの氣というのは、元氣のことです。

この元氣とは別の言葉に病気があります。

むかしの諺に「病は気から」というものがあります。これは病気は気の持ちようによって、良くも悪くもなるということから言われます。気持ちから次第に不調になっていくというのは、それだけ私たちはこの氣というものの働きの影響を受けています。

風邪というのは、もともとは不調をきたす悪い風のことを「風邪(ふうじゃ)」と呼ぶことからはじまります。古代の中国で、風が禍を引き起こすことから発生した言葉です。由来は医書の「黄帝内経」に「風者百病之長也」の言葉、つまり風邪は万病のもとです。

邪気というものが身体に入ってくるというもの。ではこの邪気とは何かということです。

邪気は、この氣の持ちようのことでどのような気持ちでいるかということです。悪い感情や濁り澱んだ心情、悲しみ、怖れ、苦しみ不安なども内邪ともいいます。これらが内面から充ちてくると病気になるのです。そして同時に外邪といって体外から侵入する天候の急激な変化、猛暑、寒暖差、花粉や黄砂、地震などもあります。

これらの邪気が入ってくることを風邪と呼ぶのです。

風邪をひいたというのは、これらの邪気を引き込んだということでしょう。それをまた調和するために身体が自然治癒をはじめます。病気とは、治癒のはじまりであり治癒しているという考え方もあります。

つまり病気はやっつけるような敵ではなく、治癒をしているのだと自分の自然治癒を信じて見守るという考え方です。現に、風邪をひいて熱がでるとそれ以前よりも体は健康になり強くなるとも言われます。高熱によって毒素が排出され、滞りがなくなり循環が捗ります。

科学的に言えば、ウイルスを取り込み免疫が強くなり、また心身も脱皮してより清々しく新たになります。新陳代謝を続けていく私たちの身体が心身の大掃除によって綺麗になるのです。

思えば、今回の風邪をひく理由もはっきりしていて色々な悲しいことから自分を責めてしまいそこから邪気をひきこんでしまいました。どうしようもないことを受け容れ、禍転じて福にしていくための元氣が肝要でした。

元氣を忘れず、元氣に素直に生きていきたいと思います。