和楽の世

昨夜から台風対策で色々と家の周辺の片づけや窓関係の対策を行いました。年々猛威をふるう自然現象に畏れを感じます。地球環境が人間が適応できなくなってくるのは、今だけではなく過去に何度も発生してきました。むしろ安定していた方が少なく、ほとんどは今よりも過酷な環境で生きてきました。

遺伝子は過酷な環境下で生き延びることができるようにスイッチが入るといいます。使わなければ使えませんが、一度そのスイッチが入ればかなりの過酷な環境下でも生き延びることができます。

何度も滅びそうな体験をしてきて、そうならないようにと慎重に暮らしをととのえてきたのが先人たちの知恵です。人間はどのような時がもっとも危険なのか、それは危機のときではなく裕福なときです。成功している時です。そして欲求が満足している時です。これは会社の経営でも個人の体調管理でも同じです。人間は、上手くいっているときこそ謙虚に慎むことで生き延びてきました。

古典を読むと文明が滅亡する理由が分かってきます。歴史には、いつも同じように人間が同じ轍を踏んで文明を滅ぼしていきます。これは人間というものが持っている元来の性ということになります。その性をどう修め磨くのか、人格をみんなで整えて協力して滅ばないように取り組んでいくことが本来の政治の根本だったのかもしれません。

それが時間と共に集合的な無責任になるのも、みんな周囲をみては自分というものを埋没させていくからでもあります。人間がどのように教育されたかで未来が変わりますから教育者は文明が滅ぶことにおいての大きな責任を持っているということです。私も社会に関わる教育者の一人ですから、責任を痛感して今の暮らしフルネスを実践しているともいえます。

文明の衰退期にどのように処していくのか、大局を観てどう生きるのかを決めることが必要になります。時代が変わっても、変えることができないことが私たちのいのちにはあります。

自然の猛威を観て、如何に謙虚に反省して生き方をととのえていくか。自然というものの先生に従い、他の生き物たちと共に助け合い生きていく道をみいだしていくなかに和楽の世もあります。

子どもたちにこれから生きていくための知恵を少しでも譲り遺していきたいと思います。