発酵の生き方

楽健寺酵母というものがあります。これはこの酵母は奈良県にある磐余山東光寺の山内宥厳住職が50年以上をかけて育てあげてきた天然の酵母です。この方は、高野山真言宗僧侶で東光寺住職でもあり、詩人、楽健法という足でふむマッサージを考案された方だといいます。

私はお会いしたことはありませんが、この楽健寺酵母を通して知人から楽健法も体験したこともありご縁が色々なところが結ばれました。

私もこの酵母にはとてもお世話になっていて、暮らしのなかで健康を下支えしてくださる有難い存在です。パンだけではなく、他にもあらゆるものに活用して食べています。

もともと私たちの体は、微生物によって成り立っています。腸内にもたくさんの微生物がいて食べて物を分解してエネルギーにしています。これを触媒ともいいます。触媒というのは、そのものではなくそのものが何か別のものに転換したものが私たちの何かに大きな影響を与えるということです。

例えば、酵母というものは微生物のことです。先ほどの楽健寺酵母も色々な微生物が混然として一体になり発酵をさせていくものです。この発酵はシンプルに言えば、微生物が何かを食べてその代謝物として酵素が出てくるということです。パンでいえば、微生物が小麦粉などを食べておならをします。そのおならによって発酵されたことになり膨らんでいくという原理です。

私は酵素玄米をよく食べていますが、この酵素玄米は、玄米と小豆を一緒に炊き込み、保温して発酵させることで酵素を含ませる仕組みです。微生物の発酵による酵素が腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌と日和見菌のバランスを整え、腸内環境を調和させます。ここでも酵素という言葉を使いますが、これはいわゆる酵母が発酵して醸した酵素があるということです。

酵母は微生物ですが、それを維持するためには餌が必要です。先ほどの楽健寺酵母ではその微生物たち、つまり生物を飼育していくのにりんご、にんじん、長芋、玄米、砂糖やはちみつなどを使います。

長い年月をかけて、微生物との関係を結んでいる人はとてもよい関係を醸します。発酵はまさに神業で、この身近にいる健康を守る神様と結んでいくかが生き方に反映していきます。

子どもたちのためにも、この発酵の生き方を伝承していきたいと思います。