根源は免疫、原点回帰

私たちの身体には、免疫というものがあります。これは病原体・ウイルス・細菌などの異物が体に入り込んだ時にそれを発見し体から取り除いてくれるという仕組みのことです。そしてこの免疫には自然免疫と獲得免疫というものがあります。

まず自然免疫は、生まれつき体内に備わっている免疫の仕組みで元々古来から存在する機能です。これは発見した異物を排除する仕組みです。有名なものに好中球と、NK細胞、マクロファージがあります。このどれも、外部からのものをキャッチして食べて無効化していきます。

そしてもう一つの獲得免疫は、人生で病原体と接触した際に再び感染しても発病しないようにする仕組みのことです。この獲得免疫は、侵入した異物を排除するだけでなく記憶細胞という特殊な機能をもつ細胞に変化し記憶しています。そうすることで、いち早く発見し感染が進む前にキャッチして食べてしまうのです。T細胞とB細胞が有名です。

インフルエンザで例えると、ウイルスが口や鼻、喉、気管支、肺などに感染した場合はまず自然免疫のNK細胞とマクロファージ、樹状細胞などがウイルスをキャッチして食べて駆除しはじめます。そしてそれでも駆除できない場合は、B細胞、キラーT細胞という獲得免疫が今度は活動を始めます。具体的にはB細胞は抗体を作り、その抗体はウイルスにくっついて他の細胞に感染できなくなるといいます。

そうやって私たちの身体は自然免疫と獲得免疫の合わせ技で撃退してくれていたのです。無症状の人がいるというのは、この免疫系が働き無害化させているからということになります。免疫がきちんと働いているのなら、外部からの異物は正しくキャッチされ、駆除され記憶され、ずっと身体を守り続けてくれるのです。

これからコロナウイルスも様々な変異株が誕生してきますし、その都度、ワクチンを開発して対応ではいたちごっこです。私たちの身体は大量のウイルスに日々に晒されていますからやはり今まで生き残ってきた力を磨いていくのが一番です。

その方法は、食生活、運動、睡眠、精神や心の安静、という基本、また体質改善、生活習慣の見直しでできるはずです。つまり暮らしを整えていくのです。暮らしフルネス™は、これらのことを実践するためにも欠かせない智慧の仕組みです。

引き続き、子どもたちのためにも暮らしを見直して伝承していきたいと思います。

微生物を尊重する暮らし

腸内フローラを活性化することで免疫を高めていくというのは、むかしからの感染症予防法の一つです。もはやコロナウイルスは変異し続けていきますし、海外から強力な新種が次々と入ってきますからワクチンや薬ではいたちごっこの様相です。

気候変動も重なりますからますます新手の病気や感染症は増えていくばかりです。こうなってくると自己免疫を高めていく方法しか手段がありません。今の私たちが生存しているということは、今までも自己に備わっている免疫があったから乗り越えてきたともいえます。

この時代は免疫を下げるような生活環境の中で私たちは暮らしています。こういう時だからこそ、免疫を上げるような本来の自然と共生する仕組みを学び直す必要性を感じています。

私たちが免疫を高めるということで最初に思いつくのは、腸内細菌です。腸内フローラが豊かでしっかりとしている人は健康で免疫も高く元気な人も多いといいます。私たちは微生物によって身体を守っていますから、お腹の中の微生物の状態がよければよいほど免疫を高め外部からの感染症のウイルスなどの侵入を防いでくれます。

如何に日々の生活の中で微生物を上手に取り込むかが鍵になります。本来は微生物は空気中も浮遊していますし、自然界の土やほこりの中にもたくさん存在しています。そういったものを日々に取り入れていけば免疫も高まるのですが、食事から摂取するのがもっとも効果的な方法です。私たちは微生物にご飯を食べさせることによってその代謝物をエネルギーや栄養に換えていますから微生物が喜ぶようなものを食べてあげるのが一番です。腸活といい方も今ではしていますが、微生物を尊重する暮らしをしていくことがもっとも免疫を高めてくれたということでしょう。

今、まさにその微生物でもコロナウイルスに効果があるのが酢酸菌(さくさんきん)だといわれています。この微生物は乳酸菌や納豆菌と並ぶ食用の発酵菌の1つです。この酢酸菌は、アルコールを酢酸に変える細菌の総称でお酢になる元です。なので英語では「Mother of vinegar(お酢の母)」とも呼ばれています。

この母なる存在が非常に大きな働きを腸内で行ってくれているのです。どこにいるかといえば、空気中にもいますが梅、ぶどう、柿、りんごや花、はちみつなどにもあります。具体的に酢酸菌をつかった発酵食品には、お酢やワインビネガー、コンブチャ、ナタデ・ココやカスピ海ヨーグルトなどもあります。日本では、黒酢、柿酢、リンゴ酢などあらゆる酢に存在しています。

特に素晴らしい効能は、アレルギーに効果があることです。花粉症をはじめ、あらゆるアレルギー反応を穏やかにする力があります。科学的にも腸内菌叢により産生される短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸およびプロピオン酸)という物質が腸管上皮細胞の増殖促進、炎症性サイトカインの抑制作用等による抗炎症、抗潰瘍作用もあると報告されます。

つまりコロナウイルスは、免疫の過剰反応が影響しますからそうならないように予防し続けることで重症化を防ぐことができるかもしれません。先人たちの智慧を活かし、子どもたちに安心した環境が遺せるように自然から学び続けていきたいと思います。

暮らしの定義

英彦山の宿坊の甦生をはじめるにあたり、何を初心にするかということを再確認しています。もともと私は子どもたちの1000年後のことを憂い今、何をすべきかを考えてカグヤという会社を起業しました。そして、子どもの憧れる生き方と働き方を伝承していこうとし、暮らしフルネスというものを定め、その場を磨いています。

そもそも暮らしというものは何かといえば、人間の生き方を表現する場のことです。

例えば、僧侶が暮らせばお寺になるし、山伏が暮らせば宿坊となります。現在は、仏教が檀家制度をとって墓地や葬式などの形態がメインになって場のようにいいますが本来、仏陀がいた頃のお寺とは僧侶たちが住みそこで仏の生き方を実践した場がお寺のはじまりの姿だったといいます。

なので私の思う暮らしの甦生とは、どのような生き方をするのか、そしてどのような働きを実践するのかを日本人の先人先達たちの姿から学び直しその徳を現代につなぎ直そうとしているのです。

本来、暮らしそのものはその人の持つ人間性や精神性、魂が現れてくるものです。その人がどのような生き方をし実践するかが丸ごとすべて詰まっているものが暮らしです。何を大事にしているか、どのような想いを育てているか、そして何を実現しようとしているのか。その一つ一つが、暮らしを通して場に感化されていくのです。

だからこそその場には、その人の暮らしの真心が薫ります。

現代は場をすぐに環境というものの言い方で置き換え、最近では見た目が華やかであればその場がさも価値があるかのように広報したりします。これは営利のためです。しかし本当は、場には人が着いているのであり主人の生き方が中心になっているのですから自然に薫ってくるものなのです。

お寺であれば坊主、宿坊であれば坊主、庵には庵主がいるように、主人の生き方があっての場であるということです。その場があることで、私たちの風土や国土はさらに歴史を重ねて磨き上げられ国宝となっていきます。

残念なことに今の建築というものも専門家によって美術品のようなハコモノになってきていますが本来の建築は主人がいのちを吹き込んでいくものです。建物と主人は決して分業し切り離せるものではなく、主人が代わり続けても生き方が変わらないから建物としての場が甦生し続けているのです。やはり肝心なのは主人の存在であるのは間違いありません。これはすべてに言えるのです。

家であれば家主がどのような暮らしを実現するか。そこに場があります。むかしは修練する場を道場といいましたが、今は西洋文明が覆いかぶさりましたから場と道が逆転している時代です。だからこそ原点回帰し、場道と名付け私はその生き方を暮らしフルネス™と定義したのです。

子どもたちが1000年後も安心して立命できるよう、見守り続けられる場を醸成していきたいと思います。

湿度から学ぶ

日本の風土は高温多湿です。この時期の平均湿度は74パーセントくらいあるといいます。私の今居る家も、大雨が降り始めましたが湿度は84パーセントあります。これは空気中の水分がどれくらいあるかを示したものです。

私たちの身体は、自分にとって快適な体温を一定に保つために常に気温や気候に合わせて活動をしています。暑くなれば冷まそうとし、寒くなれば温めようとします。この変化が激しいと、それだけエネルギーを必要とするためかなりの負担が身体に生じて夏バテや熱中症の原因にもなるといいます。

一般的に私たちが快適と実感する湿度は40%から60%といいます。40%を切ってしまうと肌や目などが乾燥し、インフルエンザウイルス等が活発になります。そして逆に60%を超えてしまうとダニやカビが活発になります。

湿度によって、ウイルスやカビが活動しますから常に湿度を一定に保つための工夫が必要になってくるのです。現在の住宅では、気密性が高く部屋の空気はこもっています。なので除湿すればすぐに乾燥し、水分が増えればずっと残ります。本来、微風が通れば自然に湿度は一定に保たれるのですが風が通らなくなるとあっという間に湿度の管理は難しくなります。

伝統的な日本家屋は、この湿度との関係を常に意識して設計されてきました。また家屋に使われる材料もどれも湿度を意識したものばかりです。例えば、障子、土壁、畳、建具に囲炉裏などどれも湿度を調整するためのものです。

湿度が高すぎるときは吸収し、低すぎるときは加湿します。つまり車のハンドルの遊びのように、変化が緩やかに発生するように調整する役割を果たしているのです。あとは、もともと隙間が多く、ほとんど外界とつながっているような建て方をしていますから常に風が通り、そのうち快適な湿度に回復して保つようになっているのです。

そうはいっても、梅雨前線が停滞して暑さが厳しいときはどうしようもありません。そんな時は、きっと窓を開けてあとは拭き掃除をしてカビが発生しないようにしたのでしょう。それに冬の極度の感想には、囲炉裏で常にお湯を沸かしてお茶をたてて対処したのではないかと思います。自然と共生していたころは、私たちは湿度を身近に感じて暮らしを営んでいたように思います。

都会では、総合空調で空気清浄機でコントロールされているためあまり湿度とかカビとかウイルスとかも気にすることはありませんでした。しかし田舎に暮らし、伝統的な家屋に住むと如何にそれらが身近であったかを実感します。

見方を変えれば、湿度の御蔭で発酵食品は保存でき、ウイルスなどの予防になり感染症を抑えてくれるということでもあります。それに湿度の変化で身体は常に五感やエネルギーを使いますから自然にお腹もすいて美味しくご飯が食べることができます。

健康を考えたら、自然と共生する仕組みを活かしている暮らしの方が快適に安心して長生きできるように思います。子どもたちに、湿度との関係から学び直すことを伝承していきたいと思います。

自然から学ぶ

自然物を観察していると、如何にそれが発明に満ちているものであるかがわかります。虫も植物も、また微生物にいたるまで、なぜそのような能力を持つのか、そしてその形状になっているのかを観察するほどにその発明のすごさに感嘆するのです。

私たち人類は、飛行機をつくり空を飛び、新幹線をつくり地上を高速で走りますが虫や魚たちはもっと以前からその能力を持っていたことがわかります。他にも近代科学が追いつこうとしているものは、すでにほとんどが自然の中に存在しているものです。

長寿の仕組みも、毒を解毒する仕組みも、ミイラから蘇生する仕組みも、すべて自然界のものがすでに発明済みのものばかりです。むかしの人たちは、その自然界の発明したものをうまく真似し、時には取り出してそれを暮らしの智慧として活かしてきました。

人間が傲慢にならず、よく自然を観察したからこそ発見できたのであり、発明したわけではないのです。謙虚に物事の本質を見抜けば、この世の発明はすべて発見であるということでしょう。

発見するためには、よく自然を観察する洞察力や探求心が必要です。なぜ、それができるのか、なぜこうなっているのかと自然の仕組みを解明するための意識が磨かれている必要があります。

自然にそうなったのは、なぜ自然にそうなったのかという原点回帰を知ることです。

私たちの好奇心は本来、あらゆる自然の姿に向いているものです。それが知識を得ることで自然への観察が劣化していきます。また当たり前すぎるもののことを人は考えることがありませんから、当たり前のことをちゃんと見直してみる学問への姿勢が求められます。

身近な虫一つからでも、身近な出来事一つからでもなぜ自然がそうなっているのかを観察すればするほどに驚きの連続です。自然物はまさに、神様や創造主の智慧そのものであり私たちには真似できない奇跡の仕組みと働きをもっています。

子どもたちには、自然から学ぶことの大切さを伝承していきたいと思います。

カビから学ぶ3

カビのことを深めてきましたが、最後にはやっぱり日本の国菌である「麹菌」(学名:アスペルギルス オリゼー)を書いておきたいと思います。この国菌は2006年、日本醸造学会によって「われわれの先達が古来大切に育み、使ってきた貴重な財産」であるとし「国菌」に認定してからのものです。

このカビは、和食を支えているカビであり日本人の健康を支え続けてきたカビです。日本酒、漬物、味噌、醤油、みりん、酢、甘酒、あらゆる日本の代表的な和食の発酵食品をつくりだすことができます。

このカビは、日本にしか存在しません。日本の風土の中で時間をかけて育ってきたもので海外では育たないとも言われます。このカビの菌は、分類わけされると5種類あるといいます。黄麹菌(きこうじきん):味噌や醤油、白麹菌(しろこうじきん):焼酎、黒麹菌(くろこうじん):泡盛、紅麹菌(べにこうじきん):豆腐よう、鰹節菌(かつおぶしきん):鰹節という具合です。

この麹菌はカビですからそのものを食べるわけではなく、麴菌の代謝で作られた成分を食べるのです。この代謝物は酵素ともいい、たんぱく質をアミノ酸に分解する「プロテアーゼ」や、でんぷんを糖に分解する「アミラーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」など、たくさんの酵素を生成していきます。その御蔭で、人体に有益なビタミンB群、必須アミノ酸やミネラルそして食物繊維などが摂取できるのです。

実はこのカビは、むかしは非常に人間に有毒であったといわれます。他のカビと同様に、毒をもち、悪影響を与えていました。説として有名なのは、アスペルギルス・オリゼーによく似た「Aspergillus flavus(アスペルギルス・フラバス)」という種類がいます。この アスペルギルス・フラバスは猛毒であるアフラトキシンを生産することで有名です。この猛毒を生産するアスペルギルス・フラバスを日本人が無毒になるまで育てたことで誕生したのではないかといわれています。それが私たち日本の国菌の由来でもあります。

つまり「和」を保つ、和にする力、和食を支える麹菌は、猛毒を無毒にするまで一緒に育て上げた共生の結晶ともいえます。日本人の先人たちは、家畜といって動物を大切に家族のように扱い暮らしてきました。牛や馬、鶏や犬などももともとは野生で狂暴だったものが愛情深く育てて関わることで人間と一緒に暮らしていくものに変わっていきました。

今でいう養殖は、養鶏などをみても狭い場所で厳しい環境ですがむかしは家の周囲で同じ家畜として一緒に豊かに暮らしを営み、助け合っていました。

日本の和を支えるというのは、この伝統的な日本人のいきものやいのちに対する思いやりであり、それをもって有毒などものを無害化し、敵対していたものも仲間にしていくのです。

私は世界でこの日本の「和の心」は、現代のアップデートすべき人類の方向性や生き方にとても重要な役割を果たすと信じています。だからこそ、暮らしフルネス™を実践し、暮らしからそれを子どもたちに伝承していく必要を感じるのです。

すべてを敵視するのではなく、一緒に地球に暮らす仲間としてどう調和して暮らしていくかをこれからも私たちは生き方として学び直していくことは欠かせません。先人たちの和の心を継いでいきたいと思います。

 

カビから学ぶ2

カビのことを深めていますが、カビは人類にとっても世界にとっても必要な存在であることがわかります。地球の約4割ほどに存在する理由は、カビが地球にとってとても大きな役割を果たしているからです。

昨日も書きましたが、カビは細菌でも植物でもなくキノコや酵母と同じ真菌類です。この真菌類は、細菌とは違って細胞の中に遺伝子を納める核を持っています。そして分解することによって生きています。

つまり、この地球の循環において分解するという何よりも重要な働きをしているということになります。私たちの今の社会は分解する生き物に容赦ない仕打ちをしていきます。

例えば、ごみ問題も分解できないようなプラスチックなどの素材をつくります。他にも防腐剤や防カビ剤、抗菌剤などをつかい、徹底的に分解させないようにします。コンビニのおにぎりや菓子パンなども、ほとんどカビがつくことがありませんからそれだけ薬品漬けにしているということです。

私の小さい頃は、おにぎりもパンもあっという間にカビが生えて食べれなくなりました。テーブルの上に食パンを置いていたら、ものの数時間で水気がとんでそのあとカビがびっしりと生えて気持ち悪いと何度も捨てていました。今では数日経ってもそのままですから違う意味で気持ち悪さを感じています。

分解というのは、動物でいえばカラスなど、虫だと蟻などもあります。もしもこの世に分解する役割のものがいなければ地上は死骸だらけで溢れてしまいます。ちゃんと土に帰す存在や、もう一度、いのちの巡りを促す働きをする存在があるから私たちは地球で共生していくことができるのです。

カビは敵にして排除するのではなく、人類にとって善いものは積極的に取り入れて、害のあるものは予防して増えすぎないようにすることがカビとの上手な付き合いになるということでしょう。

上手に付き合うには日ごろからの小まめな掃除、風通し、湿度を発生させないように工夫することなどがあります。どうしても日本の風土は高温多湿でカビの天国のような環境です。なのでカビが多いというのは運命的です。これは自然の仕組みですが、最初から戦っても勝てないとわかっているのならできる限りその敵対する状況を避ける戦略をとるということです。

一つは、天敵と出会えば逃げるが勝ち。そしてもう一つは、運命的であれば予防するというものです。自然界はこの智慧によって生命たちはみんな上手に暮らしを営んでいるものです。

カビは、善いものを取り入れることも予防。そしてカビのバランスが崩れないように調整して発生をコントロールすることが予防ということになります。生き物たちにとっては、分解者の恩恵を如何に享受されつつも、分解者があまり寄り付かないようにするかというバランスが鍵です。

子どもたちのためにも、いのちを壊すような化学薬品を摂取させるよりもカビと上手に付き合う智慧を伝承していきたいと思います。

 

場数の妙

私たちはバランスや調和の中で進化、変異を続けている存在です。これは昨日、ウイルスのことでも書きましたが何度も繰り返されるプラスとマイナスを組み合わせてゼロにしていく中で何回もしくは何億回に1度にだけ調和ミスが起こり形が生み出されていくのです。

広大な宇宙の仕組みと、この身近の最小の仕組みは原理と法則に従って同じことが発生しています。つまり私たちはどんなに分かれていると思っていても宇宙という空間の中で存在しているものですから当然、宇宙の原理原則の中にあるのです。

神話には、伊弉諾と伊弉冉の話で1000人をこれから黄泉の国に連れていくといったら1500人産み続けて増やし続けるという話がありました。もともとはこの世に死というものがなかったものが、このことで発生し、生死の数が微妙にずれるということになったのです。

現代科学でも、素粒子や原子や電子のことがわかってきています。もともと天文学的な回数の調和と破壊の繰り返しの中でのゼロが、ある時突然変異して形というものが出てくるということまでは解明されてきています。

これは私の仮説でもありますが、太陽系も銀河系も、この世の宇宙は基本的には規則正しく相対的なものが毎回、お互いの性質によって消しさってゼロになります。しかし物凄い回数か時間をかけて、ほんの小さな変化が誕生します。それはどちらかの性質がほんの少しだけ強いということでしょう。先ほどの神話であれば、生成するエネルギーの方が崩壊するエネルギーよりもほんの少しだけ強いということになります。

宇宙の本質は、無から生成発展していくということです。物を産み出す原理はこの循環の中で誕生する微細な変化が偶然にも奇跡的にも現れるということでしょう。発明もまた何度も何度も繰り返す中で、エジソンが電球を産み出したように誕生するのです。

そう考えてみるとき、私はこの「場」で誕生する「場数」というものが大きな意味を持つことを感じます。場は、現代科学では場の量子論というものが解明されてきています。場には、素粒子や波動がありまるで空間の中の無に意志が宿るように場が存在するというのです。

私は場の道場を運営し実践していますが、場は繰り返す中で場数が誕生し、その中で奇跡もまた発生してくるのを何度も見てきました。これを場数の妙と名付けています。私たちはこの宇宙の真理を語るのに、この「場」の存在がこれからは何より重要であり、場数とは人類が新たな困難を乗り越えるために必要な思想であり原理になるのは自明の理です。

子どもたちのためにも、場数の価値を伝承し場数を磨いていきたいと思います。

漬物の智慧

昨日は、妙見高菜の漬物のお手入れを行いました。今年の春先に漬けたものはこの時期に次第に塩が抜けて漬け直しが必要になります。もともとこの漬物の原理は、科学で分かっている部分とわかっていない部分があるように思います。

私は石も自然石にこだわっていますが、同じ重しでも出来上がりが異なるのです。他にも木樽で、その漬物の小屋を発酵させるような場にしていますから環境が整っています。しかし今でも、毎回発見があり、この漬物の奥深さに驚くばかりです。

今回は、一樽だけ失敗してしまい腐敗してしまったものがありました。これは蓋が少し大きかったので樽のサイズにあわずに重しがかからなかったからです。しかし水が上がっていたのですが味も香りもやや腐敗に傾いていて厳しいものがありました。

この漬物は科学的には乳酸発酵によって醸成され仕上がっていきます。発酵の世界では、乳酸菌と腐敗菌の働きによって絶妙に調和されて漬物はできます。乳酸菌は塩の中でも平気で空気がなくても元氣に活動できます。しかし腐敗菌は塩や酸が苦手です。漬物の塩分がなくなり空気がたくさん入ってくると腐敗菌の方が増えていき食べ物は腐敗して人間には食べれません。

もともとこれらの乳酸菌や腐敗菌は、分解者です。自然界では循環を促し、最終的には土に帰す役割を持っている微生物です。その微生物たちの代謝から産まれた成分によって私たち人間も栄養などを吸収することができています。

私たちすべての生き物は、他者の働きによって栄養を得ていてこれが自然の共生原理でもあります。よく腐敗したものを食べると食中毒になると思い込んでいる人がいますが、腐敗菌は別に食中毒菌ではありません。香りや味わいがアンモニアを含め、腐敗に傾くのであって腐敗菌から出てくる働きを栄養にするものにウジ虫やハエ、その他の生き物が集まってきますが食中毒菌がいるとは限りません。

もともと食中毒菌は、ボツリヌス菌や、サルモネラ菌、赤痢菌、ノロウイルスなどもありますがそれぞれは付着していたら腐敗していない食べ物を食べても食中毒になります。手洗いや熱での消毒が必要な理由でもあります。その中のいくつかの微生物は、増えすぎて食中毒になるものと、少し付いているだけでも食中毒になるものがあります。

身体に異物としてその微生物を感知しますから、すぐに下痢や嘔吐でその微生物を体外に排出しようとするのです。人間の身体には、100兆匹の微生物で構成されています。種類も相当な数のものがいます。その中でも合わないものがあるから食中毒になるのです。

乳酸菌といっても、あらゆる菌が組み合わせっているものです。それを美味しいと感じるところに人体の不思議があるのです。私たちが普段食べている、チーズや納豆、キムチや漬物、甘酒やワインなどあらゆるものはこの乳酸発酵のもののおいしさです。若々しく細胞を保つのに、腐敗の方ではなく乳酸の方を多く取ろうとするのはそれだけ人間の体内の微生物がその働きの栄養素を欲しがっているからでしょう。

漬物の不思議を書くはずが、微生物の話になってしまいましたが私はこの漬物の持つ智慧は未来の子どもたちに必ずつながなくてはならないものだと確信しています。発酵の智慧、重力や引力の智慧、場づくりの智慧、炭の智慧、樽の智慧、塩梅の智慧、太陽や日陰の智慧、風通しの智慧、季節や作物の育て方の智慧、ウコンなど植物の智慧、手入れの智慧、めぐりの智慧、郷土の智慧、醸成の智慧、、まだまだたくさんありますが智慧の宝庫がこの漬物なのです。

子どもたちに暮らしフルネスを通して、大切な智慧を伝承していきたいと思います。

日本文化のメリハリ

今日はお盆の最終日で、送り火をしご先祖様たちの霊を見送り室礼したものを片づける日です。

もともとこのお盆は、正月と同様に霊魂が家に来て滞在する期間としておもてなしをする日本古来からの信仰のかたちです。正月は歳神様、御盆は御先祖様ということになります。一年に、一度、家に帰ってくると信じるというのは感謝を忘れないための行事としてもとても大切だと私は思います。

こうやって目には観えない存在をまるで居るかのように接していく心の中に、私たちは現実の中にあの世を観ることができます。私たちもいつかこの現世での暮らしを終え、あの世での暮らしになりご先祖様の一員になるのです。その時に、子孫たちがどのようにこの世で暮らしているのかを見守り続けるという先祖の心構えも学んでいるようにも思います。同時に、子孫たちが先祖の御蔭様を感じているかどうかということも学びます。

当たり前のことですが、今があるのは今までの連続をつないで結んできた存在があったからです。子孫のために、自分の一番大切なものを磨いてそれを譲ってきたから今の私たちがあります。

昨年からコロナウイルスのことがあり色々と深めていたら、今の私たちがあらゆる感染症の免疫があるのはそれは御先祖様たちがいのちを懸けてその免疫を身体に取り込み、対処法を遺伝子として学び、その子孫たちの私たちがその御蔭で感染しても死なずに済んでいるということを知りました。目には観えませんが、私たちはずっと先人たちに守られ続けている存在なのです。有難く、感謝を思い出すことは自分の存在が多くのいのちの連鎖であることを再認識していのちを輝かせていくのにもとても大切なことなのです。

話を迎え火と送り火に戻しますが、この迎え火はお盆の期間にご先祖さまが自宅に帰ってくる時に道に迷わないようにとおもてなしし、送り火はご先祖さまが道に迷わずにあの世に無事戻れるようにと送り出すためのものです。

正月も同じですが、その期間を過ぎていつまでも家にいると悪霊になったり禍が起きると信じられました。あくまであの世の暮らしがありますから、こちらにいる期間だけということでしょう。名残惜しくてもお互いにこの世やあの世での役割や使命があり、それも日本文化のメリハリということでしょう。

私たち日本人を形成しているものはこの風習や文化の中で色濃くでてきます。現在は西洋文明が入ってきて、目には観えないものをあまり重要視しなくなりましたが本来私たちを形成してきたものに接すると懐かしい何かを思い出し、悠久の記憶にアクセスでき私たちの原点やいのちが甦ってくるのです。

懐かしい暮らしの実践は、私たちの未来へ向けた希望の実践でもあります。子どもたちのためにも根気強く、辛抱強く、どんな時代であっても変わってはならないもの、変えていくものを見据えて暮らしフルネスに取り組んでいきたいと思います。