私たちが居る地球にはいくつかの法則があります。その法則を古代の人たちは学び、それを科学によって解明してきました。科学で自然を理解することで、その科学を実社会で活用することで力を手に入れてきたのです。
未知の文明は、それぞれの宇宙の中でその星の法則をそれぞれに解明してまた科学を手にしています。そうやって宇宙では様々な新しい科学を発展させているのでしょう。その果てには、何があるのか。知りたいという好奇心かもしれませんが、それによってわからなくなるという矛盾は常に発生するように思います。
話を戻せば、その法則の一つに陰陽五行説というものがあります。まず陰陽説は五行説が誕生するより遥か昔から存在していて、宇宙のすべては陰陽に分かれるという思想がありました。これは古代中国の神話に出てくる皇帝「伏儀(ふくぎ)」が唱えたともいいます。そして五行説は前4世紀末の斉の鄒衍(すうえん)が物質の根源を木・火・土・金・水の5要素が連続的に循環し変化するというものを唱え、それが合わさって陰陽五行説というものが出てその後の徳によってどのように政治を行うかを指南して今では庶民にまで伝承されているものです。
日本では陰陽道として中国から渡来して発展しました。万物陰陽にわかれ、それが、木・火・土・金・水の性質を持ちこの5つの気が絶えず循環しているとしてこの世の道理を見究めていきました。
確かに、自然界に中にいると一年の四季もまた陰陽と五行で表現できます。例えば、春夏秋冬がありそれぞれに木の勢いある春、火の勢いのある夏、金の勢いのある秋、水の勢いのある冬になります。その中間には土の勢いがあります。つまりそれぞれの強みを発揮する季節があるということです。その強弱が移り変わり循環し調和することで、陰陽が調和していきます。
まもなく夏至ですが、陰陽の中で夏の陽が最も強くなる時季です。陽極まれば今度は陰になっていきます。つまりはここまでが最も陽の氣に溢れてこれから陰に移っていく節目ということです。まだ6月ではないかと思うかもしれませんが、地球は大きく太陽も大きい。6月までの余熱で8月は暑く感じますが実際には陽の氣は弱まり陰に移り換わっていっているのです。
実際の肌感覚よりも先に、自然は陰陽を調和します。私は法螺貝を立てますが、法螺貝も木火土金水で吹き分けられています。具体的には、陰陽として高音(甲音)と低音(乙音)にわかれます。そして音階は低いほうから 木、火、土、金、水の5音あります。木、火を乙音、土、金、水を甲音としています。
音の世界もまた、陰陽五行説で表現され力の調和をします。「調べ」というものもあります。調和をすることを司る、陰陽道も法螺貝に大きな影響を与えていたことがこういうことからもわかります。
私が取り組む英彦山仙螺には、この陰陽道をはじめ陰陽五行説を十分に検証して自然に見立てて創作しています。
調和や循環は古来の叡智です。
子孫のためにも、自ら学び発見し、自学自悟を基にして丁寧に伝承していきたいと思います。