守静坊の薬草園に、アシタバや荏胡麻を移植しました。古来からの人々は、医食同源であり食べ物がまさに病を未然に防ぐと信じられてきました。実際には、未病こそが真の医療でありそうならないように自分の心身を磨き鍛錬をし、よい食事によって調和させ免疫をあげることに重きを置いてきたのです。
現代の薬局や病院の多さ、サプリや健康食品を膨大なお金を使っては消費し続ける時代はかつての未病などはほとんど失われた意識であり死語です。
しかし、自然界を観ていたら病院などはありません。動物たちや昆虫たちは、怪我をしないように細心の注意を払い、また病気になれば厳しい自然界では生き残ることはできません。日頃から、未病であるように怪我をしないように常に心身を解脱させ柔軟性や智慧を働かせています。
私がお山の暮らしを甦生しているのに薬草を使う理由はシンプルで、自然から真理をはじめ智慧を学び直すためです。
私のメンターに「天地自然はこれ、活きたる一大蔵経なり」という言葉がありました。
この大蔵経とは、すべてのお経のことです。自然はお経そのものでありすべての真理が宿っているというのです。
お山にいて自然を観察し、自然と循環する一部になるとき私たちは心身解脱します。まさに様々な執着から解き放たれます。これを六根清浄ともいいます。神聖なお山、日子山などはまさに自然の大先生です。
自然の大先生の懐に抱かれて、薬草を学べることはとても仕合せなことです。
丁寧に、植物たちと関わりながら不自然を祓い清め、徳を積み、無為自然を楽しんでいきたいと思います。