めぐみとめぐり

日本の古来からある大和言葉に「めぐり」という言霊があります。現代では日本語の動詞「めぐる(巡る・回る)」が名詞になったものといわれます。「めぐる」は、あるものの周囲を回ること、一つの場所から別の場所へ移り、再び元へ戻ること、そして物事が順々に移り変わっていくこととあります。

また似た言霊に「めぐみ」があります。しかしこれは「めぐむ(恵む)」から生まれ、慈しみ、情けをかけること、恩恵を与えることといわれます。「めぐむ」は古語の「めぐし(愛し)」との関係が指摘され、相手をいとおしく思う心になるとあります。

私が好きな言葉に「めぐり逢い」という言葉もあります。

悠久の時間と無限の関係性が羅網のように結ばれ、道中で何度も再会する。あるいは生まれ変わっても一期一会に出逢う、これを「ご縁」と呼びます。

ご縁があり今になる、そして今がまた次のご縁になります。

目の前で風に揺られ、朝日に照らされている神々しい澄んだススキと私はめぐり逢います。この景色は心の中の記憶と生き続けていてまた来年もめぐり逢うかもしれません。

共に生きるということの真の豊かさは、循環の中で暮らしを営む喜びです。

続いていくこと、已まないこと、一緒にいること、この当たり前の暮らしこそ真の幸福です。そしてそれを「徳の循環」といいます。

徳が循環していくというのは、そのものの善さに光を当ててめぐみのめぐりを深く感じることです。また今度、逢えるだろうか、逢えたらどのような心でいるだろうか。御蔭様とお互い様と許し合える自然の感性でいられるだろうか。色々と心は遊びます。

めぐりをよく観察し、秋の甦生の妙を味わっていきたいと思います。

 

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