徳を磨く場

昨日は御蔭様でBAを無事に開校することができました。多くの方々が遠方からお越しいただき、たくさんの裏方で支援してくださった方々の見守りを感じながら新たな時代の節目を迎えられることに喜びと感謝の気持ちで満たされました。

準備に際し、みんなで家を磨いていきました。清掃はもとより、蜜蝋などを使い建具や家具、そして火鉢や竈、さらには床板から柱にいたるまで体がへとへとになるほどに磨き上げました。

私たちが取り扱っているものは「徳」であり、徳は磨けば出てきます。磨かない時代は徳があまり出てきません。しかしこの徳があってはじめ道があり、道は徳によって顕現しますから徳が観えない時代は道に迷う人が増えてきます。

人間の完成とは何か。

それは徳を磨き、人格を高めることです。

なぜならそれが魂を昇華させ、一期一会のご縁を生ききりいのちを精いっぱい咲かせることになり、まさに天神合一、神人合一の澄み切った純粋なものに近づくからです。

私たちは自然の一部でありながら、自然を科学し、自然を深く理解しようとしてきました。縄文時代をはじめ、私たちの先祖は永い時間、悠久の時間、暮らしを通してこの世の中でやさしさと思いやりを磨き、素晴らしい人格を高めるために支え合い、信じあい、助け合い社會を形成してきました。

現代は、まさに過渡期であり価値観をもう一度見直す重大な局面を迎えています。それぞれの個人が家になり、家が組織になり、組織が大きくなり国家となっていく。その国家が醜い争いをするのは、言い換えれば国家から個人までの生き方や暮らし方が歪んだからだとも言えます。

論語の大学に、「修身斉家治国平天下」とあります。

孔子がもしも今生きていたら、きっと一人一人の中に、徳を磨くことを諭し自らも実践していくことが天下国家の道であると示すように思います。環境問題も社会問題もすべては人間の問題です。人間を深く愛するからこそ、私は人類の保育に携わり、人生をその道に捧げています。

新たな夜明けを味わいながら、太陽と共に歩み、世界に一石を投じていきたいと思います。