自信への道~心の転じ方を与える~

ありのままの自分を認めるということは、現実を受け容れることにおいてとても重要であるように思います。自分の認める場所を限定し、ここは認めここは認めないと自分のことを歪めていたら本当の自分のことが分からなくなるように思います。

人間は誰しも本当の自分のことを自分自身で知ることで、現実を受け容れ、現実に生きることができるように思います。現実から乖離すればするほどに様々な問題が出てきてしまいます。例えば自分のことを誰も言ってもらえなくなったり、思い込みばかりが強くなったり、周囲の人と上手にコミュニケーションが取れなくなったりもします。

つまりはこのままではダメだとか、これでは認められないとか、こんなはずではないとか、理想の自分と比べて今の自分を自己嫌悪し全否定してしまうとその自分をそこから見つめることができなくなります。そうなるとさらに自信を失い他に依存してしまいます。他人に認められないことを気に病み自分のことをさらに嫌いになって現実逃避に走ってしまうように思います。過去のどこかの時点で自分を嫌いになって自己否定したことは今でもそれが色濃く残っています。それが何らかの場面で出てきては心の恐れになりますから過去をずっと今でも引きずってしまいます。

私もかつてこうありたいと思うばかりに自分の理想以外の自分はすべて否定する時期もありました。しかしそうやって自分を否定すると他人に評価される自分にばかり目がいってしまい「本当の自分の価値」も次第に観えなくなりました。本当の自分の価値を自分が知ることが本物の自信になりますから現実の自分をみてこれも自分の一部と認め、さらに過去に自分のしてきた自己嫌悪をゆるしてあげることもまた自信への道になります。

今の日本の社会環境は、歪んだ個人主義が蔓延し、比較や競争、個性を画一化することにより誰かの評価結果に対しての自信であったり、能力の優劣に対しての自信であったりが自信だと刷り込まれ、本当の自信を失う人が増えて圧迫感のある社会を生んでいるように思います。そのままでもいい、あるがままでもいい、その丸ごと認めている自分自身をさらけ出すことで周りが安心する社会をみんなで築いていけば無理をして頑張り過ぎて苦しむ人も減っていくようにも思います。人権尊重や個性尊重など当たり前のことがなくなってくると、ますます自己否定する人が増えていく気もします。

私たちの子ども第一義の理念の実践は、子ども心を守るための実践でもあります。私たちの会社がこういうことを向き合い続けるのは、子どもの心に寄り添い希望に生きる力を育めるように心の転じ方を与えていきたいと思うからです。

自信を持つ社会は自由であり、みんなが豊かにそれぞれの持ち味を活かし合える世界です。社会全体の閉塞感はそれぞれの自信のなさがつくっていきますから一人で抱え込んだりしなくてもいいように安心した社会を築いていくためにも本当の自分を見つめるものの見方や心の持ち方や転じ方を、一円対話や聴福人を通して伝道していきたいと思います。