暦の知恵

今年は旧暦では2月1日が元旦になっています。これは二十四節気の雨水の前の新月が正月とするという天保暦に沿ったものです。この旧暦は太陽太陰暦のことをいいます。今は、新暦といって自然や季節とあまり関係がないものになっていますが、むかしは農業や漁業、そのほか、自然と調和して暮らしていましたから暦はそれを上手に取り入れるための一つの知恵でした。

例えば、太陽暦というのは太陽と地球の関係性を一年の周期でわかるようにしたものです。1年で365日というのは、今でもわかります。そして月の満ち欠けの周期は、1月で28日ですから少し短く1年354日になります。

もともと陰陽は、女性は陰で男性を陽で例えます。その男女のバランス、生命のリズム、またその持っている性質が備わっているともいえます。特に女性は生理も月の周期と深い関係があります。

私たちは、どのタイミングで生命を調和させていけばいいのかを太陽と月と地球の絶妙なバランスを直感しながら生きてきたともいえます。

つい頭でっかちに私たちは数字の便利な側面だけをみて、歴もただのスケジュールやイベントのように今では考えている人が増えているようにも思います。何かのイベントがある日は、そのイベントをやるという具合に、そこには季節や生命、また忘れていけない初心があるなどとは思ってもいないものです。

しかし実際には、二十四節気は自然の天候や運行とのリズムを観察したものであり、旧暦は太陽と月と地球のバランスとリズムを観察したものです。私たちの生命も体も、この地球の一部ですから確実に太陽や月、そして四季の変化の影響を大きく受けています。

その影響を活かすこともできれば、無視することもできますが自然に逆らうとバランスが崩れて不幸や災難が増え、自然と調和すれば自然体でも仕合せの機会が増えていくものです。

先人の生き方や知恵を学び直すことは、本来の私たちがどのようにこれから暮らしていけばいいのかのヒントを得ることです。なんだか働き方改革とか生き方がどうとか、SNSやテレビなどで最近言葉ばかりが流行っていますが本当は先人はどうしていたのかをもっと丁寧に学び直すことが肝要ではないかと私は思います。

実践をしながら、暮らしの豊かさを子どもたちに伝承していきたいと思います。