食べ物はすべて薬膳

現在、色々と薬草園や薬膳の研究をしていますが今まで知らなかったことがわかりとても好奇心で充たされます。元々、宿坊の周辺にそのまま自生していた茶葉などは色々な使い方があります。

植物の力というのは、食べることによってより発揮されるものです。発酵茶をはじめ、茶葉を使えばすぐに体調に変化が出てきます。私たちの身体は身土不二ともいい、その土地が化けているものともいえます。その土地の空気を吸い、水を飲み、風に吹かれて土の化けたものと一緒に生きる。

まさに人間の喜びは、その土地と一体になるときに最も開花するものです。故郷というものの大切さは、その故郷の風土になるときに感じられるものです。

そして植物との関係にも深さがあります。それは歴史的な深さや関係性の深さです。何百年も前からお互いに関係を結び助け合い生きてきました。そこには、小さな葉、あるいは種一つにも偉大な繋がりがあるものです。

現代は、便利さからすぐにお金で買い物をしていいものを探そうとします。しかし本当に善いものはお金では買えません。先ほどの茶葉であれば、一緒に日子山の場で暮らす中で摘みたてを美味しくいただきます。茶葉に限らず、松葉一つどれも新鮮でエネルギーに溢れています。

またその場で一体になって感じることでよりそのもののエネルギーも循環します。いのちが活き活きしてきます。自然にある野生のように艶があり、自由で生命を謳歌するのです。

法螺貝などを吹けば、その場所全体がさらに活性化します。どれも自然、どれもが自由です。

もともと食べ物はすべて薬膳でした。薬ではないものは一つもありませんでした。しかし現代は、薬ではないものを食べて薬をつくりました。本末転倒しているものです。それは生き方にまで浸食してきて、人間が変わってしまうほどです。

子どもたちや子孫のためにも、本来の暮らしを甦生して新たな道を示していきたいと思います。

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