石橋は後で叩く

人は日々に様々なことを判断した集積で、その結果が出ているともいえます。変化していく日々の中で、常に決断をしていくのが人生であろうとも思います。

そして、新しいことをやるというのと、今までの古いことをやろうとするので未来は異なっていくものです。人が新しいことをやろうとするとき、今までの知識では補なえないことばかりが連続的に発生してきます。

あくまで予想はしますが、それはかつての自分の実力ややったことがあるかないかの経験から身に着けていくものです。そして恐る恐るできそうなところをやっていても、成功体験ができるわけではありません。

成功体験とは、勇気を出して遣り切ったとき、失敗よりも成功が勝っていると自分で実感できることのように思います。それは自分はやればできるんだという信頼感が芽生えるからのように思います。

何でもそうですが、やってみようと試みるのは思い切りが必用だと思います。分からないことばかりなのだから、きっと大丈夫、上手くいくというところまで自分が納得していればいいのです。そこには、見たくない現実もあるでしょうし、時には感情に流されてしまうこともあるでしょう。

そういうことに負けてしまえば、進むことよりも無難な事であるほうを無意識に選んでしまうものです。しかし、時というのは、自分が流されれば揺れ戻しがきますから努力精進しなかった分は、激しい変化として目の前に現れてくるものです。

植村直己の尊敬していた、日本の登山家で探検家、創造技術者の西堀栄三郎にこのような言葉が残っている。

「新しいことをやろうと決心する前に、こまごまと調査するほど、やめておいたほうがいいという結果が出る。石橋を叩いて安全を確認してから決心しようと思ったら、おそらく永久に石橋は渡れまい。やると決めて、どうしたらできるのかを調査せよ。」

新しいことは、まずは決心すること。そして決心したらやるかやらないかを悩むのではなく、どうしたらそれができるかを先に考えて詳しくは後からそれを調べればいいという具合でしょうか。これは大切なことで、先に決めてしまわなければいくら調べて調べて出てこないことは人生で何度も経験があります。

つい先に、理論や理屈、証拠からと思っていますが自分で先に決めたならそこから調べていくなかで観えてくるというのは、物事は決めたことが勝負だからかもしれません。どんなこともやってみたことなどはないことが理層に挑むのですから大切にしたいと思います。

さらに西堀さんは言います。

「チャンスを逃がすな。まず決断せよ。石橋を叩くのはそれからだ。」

勇気の出る一言であろうと思います、最初は誰でも失敗するものですが決めたということはとても尊いことのように思います。自信もそういうところから生まれてくるように思います。先に自信であとに結果ではなく、結果が出るから自信が持てるのは自明の理です。

決断を楽しんでいこうと思います。