対症療法と根源治療という言葉があります。本来、これは対立するものではなく同時に行うものでした。現代は、根源治療がほとんど消失しそのすべてが対症療法になっています。
そもそも根源治療は真の自立や生き方の実践、暮らしの改善が必要です。それには多大な労力と意志の力、信念や長い時間をかけての修正が必要です。もっとわかりやすくすれば自然と共に生きるという選択をして自分も自然の一部として存在するように調和していくことです。
それに対処療法は、その都度に発生する様々な不調和や不健康、病気を改善していきます。不慮の怪我や不注意からの病気、感染症などに対応するためでもあります。人間の免疫が病気よりも負けてしまわないように、免疫を補完したり補強するために対処します。
ではなぜ根源治療が失われていくのか。
その理由は欲望が大きな影響を与えています。欲望が悪ではなく、際限なく増え続ける欲望に呑まれていくことで根源への問いを喪失していきます。生き方や暮らしを破壊し、依存型の社会を蔓延させてはお金や権力、権威を用いて不自然を増やします。不自然は欲望の増大と比例して大きくなっていきます。
そうすると様々な問題が出てきます。それを解決するために対処するのですが、不自然に対する対処になるのでより不自然、不調和を広げていきます。対処すればするほどに、解決しないものが増えていく。つまり次々と、問題が問題を生むように広がっていきます。
この世の中は事実としてバランスで成り立っています。どちらかに偏りすぎると不調和が発生し、行き過ぎれば戻ります。これは地球の活動や天候などでも同様です。なので、バランスが崩れないようにそれぞれが自立を保って暮らしています。
人間も本来は同様に、自立を保つような暮らしを継続して今まで生き残ってきました。過度な偏りを避け、足るを知り、調和を心掛けてきました。
現代は行き過ぎた欲望を抑制できずに環境汚染や社会全体が消耗しているようにも思います。一人一人が調和のために日々の小さな暮らしの改善が必要になってきているようにも思います。それは根源治療に取り組んでいくことです。
暮らしを調えることはまさに未病のための人類の智慧です。
引き続き、先人たちの智慧に学び、暮らしを調えていきたいと思います。
