知恵の甦生

知恵というのは、もともと知識とは異なり使っている中でなければ観えないものです。つまり止まって理解するものではなく、実践したり体験する中でこそはじめて実感でき観えるものともいえます。

例えば、昨日、暮らしフルネスの一環で滝行をしてきましたがこの滝も流れる中でしか滝のいのちを感じることはできません。いくら口頭で滝の話をしたとしても、滝が持つ徳は滝の中ではじめて活かされるものです。

さらには、この滝が知恵として感じるためにはその滝をただの文字や言葉だけにしない知恵の伝道者が必要です。この伝道者は、その価値を知り、その価値を学び、その知恵を正しく使い続けてきた人でなければなりません。

むかしから伝統の職人たちのように、意識を継いでいく人があってはじめてその真の技術が温故知新されアップデートしていけるようにその本になっている知恵が伝承されなければ伝統はつながりません。

つまり知恵こそ伝統の本質であり、知恵を活かす人こそ真の伝承者ともいえるのでしょう。

時代は、時代と共に時代の価値観があります。戦国時代の知恵の活かし方は平和な時代は使えません。その逆も然りです。つまり時代に合わせて価値観が変わっていくのですから、知恵はそのままに使い方や仕組みは変える必要があります。

先ほどの滝行も同じく、一昔前の使い方をしていても知恵が伝わりません。知恵を伝えるには、今の時代の使い方、活かし方が必要になるのです。これは意識も同じです。現代の知識優先の考え方を意識優先の生き方に換えていく。そうすることで、眠っていたり忘れていた知恵が甦生していきます。

知恵の甦生は、人類のこの先の未来、子孫たちの永遠の仕合せには欠かせないものです。地球がバランスを保つように、人類もまた長い歴史の中でバランスを保っています。この時代は、バランスを保つために舵をきる必要がある時代でもあります。

子どもたちに真の知恵が伝道していけるように、暮らしフルネスの実践を積んでいきたいと思います。