一家一和

昨日、ある保育園で理念研修を行いました。ここは家族的であることを大切にし、安心して笑い声が絶えないことを優先していこうという理念の保育園です。今の日本では家族的ということが次第に失われ、子どもたちをはじめ家庭もバラバラになってきています。私たち日本人は和を重んじて和を尊んできた民族です。その主柱には「家」という思想がありました。この家というものは、一家のことであり一家は一和のことです。

仲睦まじく一家の一員として大切に思いやりながら暮らしてきた民族だからこそ、みんなで一緒に生きていこうと仲間と仲良くしていくためにも私たちは家を形成して家族をつくってきたとも言えます。

私たちの会社でも一家ということを重んじ、バラバラになってしまわないように数々の工夫と実践をつくっています。その一つに「だんらんち」というものがあります。これは一家「団欒」と「ランチ」とを合わせたカグヤ用語の一つです。

食文化というものは、言い換えれば「食即文化」「食は文化なり」「食=文化」ということです。おいしいものとは何か、それは「家族が一緒に食べること」です。一緒にというのは、安心してたのしい、そこにはつながりや絆を感じながら心休まる幸せで豊かな時間です。

月に一度、私たちは一緒にみんなで集まってちゃぶ台を出しては電気を消して自然の光の中で同じ釜の飯を食べます。そして食べて落ち着いたらみんなで近況の報告をしあいます。これは仕事であつまり仕事でやっているのではなく、家族一緒の時間を味わっているのです。

古来より先祖たちは囲炉裏を囲み、家族が集まっているのはこの食事の時間でした。この時間の幸せのためにみんな一生懸命にそれぞれが働きました。この幸福な食卓の時間こそ家族を顕します。そして絆を確認します、それはどんなに離れていてもいつも心は一つ、一緒だよというつながりを結ぶのです。

家族的の反対は何か、それはバラバラになることです。歪んだ個人主義が蔓延している昨今では、個の自由とかいいながら好き勝手に我を通している人が増えていく中でより一層つながりが消え、絆が分断されバラバラになって家が失われています。

どんなに豊かに物が増えてみてもつながりや絆の豊かさには絶対にかなうことがないのです。それが人間の本性であり、それが自然の摂理です。つながっているからこそ私たちは安楽に穏やかな人生が送れます。

もう一度、バラバラになったものをつなぎなおす必要性を私たちは心の底で感じているはずです。そのためにも理念が必要であり、そして一緒に生きて実践する仲間がいるのです。

仲間と一緒に過ごす時間は、かけがえのないものです。家族が一緒に過ごす時間は、最幸の思い出です。

子どもたちがもっとも望んでいるもの、子どもたちが将来幸せな人生を歩めるようにまずは自分たちが一家一和を実現し「一緒」になることを実践していきたいと思います。

  1. コメント

    一家団欒は、お互いの一日の様子を知る場であり、その表情と食欲などから、一人ひとりの悩みや体調の変化などにいち早く気づく場でもありました。そのため、昔は、食事中はテレビをつけない家が多かったですが、いつの間にかテレビを見ながらの食事になり、一緒に食べてはいても話さなくなったり,
    話してもテレビの話題ばかりで、お互いの話ではなくなったりしています。今では、スマホをいじりながらということも多いでしょう。せっかく食卓を囲んでいるのに、そういったものでバラバラになるのは、注意したいものです。

  2. コメント

    月に一度、全員揃ってちゃぶ台を囲んでご飯を食べ近況を聞き合う。普段は離れていても最近どんなことがあったかを知ると心が繋がるようです。普段の暮らしが家の形を築いていくと思うと、今当たり前に馴染んできている実践の大切さを改めて感じます。どんどん一緒になっていくという感覚、つながりを大事にしていきたいと思います。

  3. コメント

    一家団欒はどうしたら続くのだろうかと思うと、社内のように皆で大切にする実践を用意して、皆で取り組む事のように感じます。自分の子どもの頃を思うと、食事と銭湯が毎日の一家団欒でしたが、次第に塾などで実践がバラバラになってしまいました。今は父の死が家族に初心を握らせる機会であったことが救いです。普段の生活から、初心を握りあえる機会を見つけていきたいと思います。

  4. コメント

    一家団欒、すでに失われたものではありましたが、それを求めている本心の自分と、そのあり方がわからず反発してきた自分が混在していたのかもしれません。昨日のある先生の姿からもそのようなものを感じましたが、どちらも自分。子どもの前に立つのだからこそ、それすらも力に変え、遺してあげたい社会のために自分が変わり、一家団欒を実現させていきたいと思います。

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