実践を磨く

今年は自然農の田んぼのお米はあまり収穫できませんでした。その理由は、収穫のタイミングを自分たちの都合に合わせたのが原因の一つです。雀や他の虫たちが一気に群がり、随分食べられてしまいました。これはお米だけではなく、野菜でもよく発生することです。

私たちのいる自然界では、タイミングというものを全ての生き物は感じて生きています。つまり旬というものがあります。その旬を逃さずに待っているのです。旬を過ぎれば食べられなくなるものもたくさんあります。そしてその旬は作物においても、その時期に種を蒔こうとするものです。お米も種を落として翌年のために土の中で眠ります。その種が落ちる前に収穫するから得られます。しかし種が土に落ちると食べられなくなるため、人間や鳥たちをはじめ虫たちはその前に収穫にきます。これは山の果樹や木の実などと同じく、そのタイミングをみんなで待って一斉に食べにくるというものです。

この仕組みは自然界ではとてもうまく成り立っており、長い年月を経てその生き物たちとの組み合わせを獲得していきました。お互いに共生していくための調和をそれぞれがタイミングというものを持ち、合わせていくのです。これが自然の仕組みであり智慧であるのは間違いありません。

この仕組みは、ご縁というものも同じです。タイミングに合わせて、共生する者たちが集まってくる。それはお互いに旬を待つことによって得られます。自分勝手な都合でご縁を合わせても先ほどの収穫と同じくそれはやってこないものです。

それぞれがお互いの旬を理解しあい、その時機を一期一会に暮らしていくなかで私たちは共生し、また助け合うことができるということなのでしょう。

自然から學ぶのは、智慧を學ぶことです。

収穫は少なくても、そこから自分のタイミングの間違いに気づき、丁寧に自己を調え時機を見間違わないように実践を磨いていきたいと思います。

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