法螺貝の網袋~原初の信仰の原点~

法螺貝の網袋は、七宝編みという技法でつくられます。よく文様でも使われることが多く、これを七宝紋(しっぽうもん)と呼びます。この七という字は、吉祥数とされてむかしから縁起がよいと信じられてきました。

この文様は中国の唐の時代に起源があるともいわれますが日本へは平安時代に仏教と共に伝えられたものといいます。この文様は、連続する円が無限に繋がることから、仏教の教えにおける「無限の繋がり」や「円満な状態」を象徴し人々の生活の中での繁栄や幸運を願う意味合いも込められているといいます。

仏教での七宝とは、仏教においてとても重要とされる七種の宝のことをいいます。 『無量寿経』においては「金、銀、瑠璃、玻璃、硨磲、珊瑚、瑪瑙」とされ、『法華経』においては「金、銀、瑪瑙、瑠璃、硨磲、真珠、玫瑰」とされるものです。これらの宝物は、それぞれ異なる霊的または象徴的意味を持つと信じられていました。それが組み合わさる文様は円満や繁栄、完全な調和を表現しています。

そもそも編み方の起源はいつなのかと深めて観ると、編みの起源は古くて旧石器時代 にまでさかのぼるともいわれます。 最初期の編み細工は、1本の連続した糸を編んで作った網だといいます。それが時代を経て糸・藁・紐・竹などを素材にして手や針を用いて様々な生活道具(籠・敷物等)や衣類が作られていきました。日本では縄文時代早期に漁網が編まれていたようです。

編みというのは私たちの生活文化の中心にあり今まで伝承されてきた大切な先人の智慧です。現在、ニットセラピーというものもあり一目一目、針を動かしながら編んでいく作業によって指先の手を動かし、目の前の作品に集中することで日常の喧騒を忘れ、心の安らぎをえる療法があるといいます。創作しながら同時に心を安らげる、心の健康を支える大切な時間になっているともいいます。

私も疲れたらよくお手入れといって手仕事をします。修繕をしたり、綺麗に磨いたり、そのどれもが心を落ち着かせ心の疲れをほぐします。

この手を使い何を編むか、そしてその心に何を祈るかというのは原初の信仰の原点だと私は感じます。

これから大峰山へ移動し、法螺貝の編み方の伝承を受けてきます。動画や本ではなく、編みということやその意味を学び直してきたいと思います。

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