夢を与える~生き方~

先日、メンターから興味深い話をお聴ききすることができました。

それは小学校の道徳の授業で、講評で呼ばれた時のお話です。

その授業は、イチロー選手が努力して夢をかなえたというような話だったそうですが、先生が「イチロー選手がなんで夢がかなったと思いますか?」という質問に子どもが「努力したから叶いました」と答えました。それに対して先生もまたおおむね同じように努力したら夢がかなうのですよと言ったそうです。

それに対してメンターは講評を求められ、こういったそうです。

「イチロー選手は努力したから夢がかなったのでしょうか、そうではなく夢があったから努力できたのではないですか」と。世間では努力を優先して夢を持たせようとしますが、本来は夢が先で夢があるから努力もできるのではないかというお話でした。

これをお聴きしながら感じたのは今の時代は会社でも学校でも国家でも、頑張れば夢がかなうとか、一生懸命であれば救われるとか、真面目にやっていればいつかはよくなるとか、そういう理由で夢を諦めるなという励まし方が多いように思います。

よく見れば結果的に努力することばかりを強要しているような指導や教育ばかりです。本来、人は理念や目的があってそれに向かって努力する生き物です。あの進化論のダーウィンも、根気強く研究して発見をするのも夢があったからじっくりと待つことができたのです。

夢があるというのは、きっとこんな未来が来ると信じて待てるということです。そしてその夢がかなうと信じ切っているから努力することを厭わないのです。

努力する力ばかりを先に持たせようとすることも確かに善き習慣を身に着ける上においては大切かもしれませんが、人生において生きて観て実感するのは夢を持つことの方がもっと大切であることに気づけます。

その夢とは、企業が自社をアピールするために広告しているような願望ではなく、そもそもの本質である初心(理念)です。

人は「何のために」を自覚することで安心して夢を追いかけることができます。それがなくなってしまえば、夢から自分が逃げてしまうことになるのです。一体、何のために努力するのか、そこには自分を大切なもののために使って生きたいという人類の根底にある共通する夢があるからのように思います。

子どもたちが夢を観るのは、大人たちが夢中でいるからです。その夢中とは妄想ではなく、理念を真摯に実践しているという意味でしょう。

人生において子どもたちの身近にいる大人が苦しくても愉しそうに働くのは何よりの夢を与えるように思います。夢を創り与えるということは、生き方を示し生き方を与えるということです。

これからも理念を大切に日々に何のためにかということを忘れずに丹精を籠めて取り組んでいきたいと思います。

  1. コメント

    「もっと努力しなければ」というときの「努力」は苦しいものです。「私は努力している」と言いたいときの「努力」も楽しいものではありません。対して、「夢があったから努力できた」というときの「努力」は、夢中でしかないでしょう。本多静六さんは、「人生即努力、努力即幸福」と言いました。「幸せな努力」こそ本物であり、そういう大人たちの生き様が、子どもたちの夢になります。もっともっとそういいう大人を増やしていかないといけません。

  2. コメント

    いくら努力や知識を得ても、何のためにという思いがなければ、
    思いは通じないのだと改めて感じます。また、反対に思いがあれば、説明せずとも、人には伝わるものだと感じます。それは、兄弟や祖母へのたけとり新聞で感じたことでした。妻もさながら、兄弟は祖母へもあまり仕事の事を語らない私ですが、その理念は長い年月をかけて伝わってきていることを感じます。そして、理念が伝わると、その思いを大切に相手もかかわってくれることを感じます。やはり求めるは生き方なのだと感じます。まだまだ道を歩み始めたばかりですが、夢を味わい、楽しみ、輝いていきたいと思います。

  3. コメント

    スポーツ選手がメダルをとったあとのインタビューなどを聞いていると、なぜかこちらまで込み上げてくるものがあります。直接見てはいなくても一生懸命な姿が浮かぶと感動を覚えます。昨日もクルーのそんな姿をはじめてみて、知っているようで知らない一面を知りました。
    夢も努力も中には奪う人がいると小さい頃感じたことがあります。奪う者から反発して守るよりも、夢に向かって実践を積んでいきたいと思います。【○】

  4. コメント

    今の子ども達は夢を持って生きているのでしょうか。それがとても心配になります。「夢を持って生きなさい」と言われても、具体的にそれをイメージさせてあげられていないのは大人の無責任さなのだと感じます。大人が出来ていないことを子どもに求めても、それは結局は子ども達に無理を強いているのだと思うと、子ども達の幸せを願うなら自分たちが背中でそれを見せていく必要があることを改めて感じます。必ず伝わるものがあると信じて精進していきたいと思います。

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