今の時代は自然の環境の中いるよりも、人工的な環境の中にいることの方が圧倒的に増えていることが多い時代です。都会に住めばあらゆるところにまで人工物が張り巡らされています。言い換えれば人間が頭で考えたものに囲まれた中で生きているということです。
いのちには本来、「逞しさ」というものがあります。自然界では逞しくないと生きていくことができません。それを生きる力と私は定義しています。しかし都市化人工飼育の中でその逞しさは次第に失われていくように思います。隅々まで人工的に操作したお金や物に頼る安心と安全こそがそういう人間本来の生きる力を奪うのかもしれません。
自然界というものは、数々の困難が待ち受けます。身近な植物をみていても、天候の急変にさらされ、動物や虫に食べられ、鳥についばまれ、あらゆる災難の中で自らの一生をいのちを燃焼させることで生き切ります。そこには野生があり、温室栽培のものとは明らかに逞しさが異なります。
本来、見守るということを感じる力や御蔭様と感謝する心は苦労する中で育まれていく感性のように思います。自分の思い通りや都合よくいかないと思って不平不満ばかりを並べては解決ばかりに固執しマジメになっていても嫌な思いをするだけで苦労をしているわけではありません。
人生は一度きり、一日一生と、今日ある当たり前ではない日々に感謝し、その日を精一杯生き切る中に真の苦労はあるように思います。如何に自分が活かされているか、如何に自分が生きていることが有難いか、平和ボケせずに生きる幸せを深く味わい盡すのです。
それは自然から離れないという意味と同じ意味になるかもしれません。
生きる力が発揮されるということは、野生を生きるということです。それは自然をエコなどと呼ぶのではなく、自然はワイルドであるという本来の意味を間違えないということです。自然の厳しさと慈しみ、それを存分に感じながら自分らしく生きていくことは、この自分のいのちを自ら主体として磨き光り輝かせていこうとする生きる力です。
物の視方を転じて観れば、自然の生き物たちはみんな一緒に逞しく生きています。自分だけで生きているなどという傲慢な気持ちこそがその人を孤独にしているのかもしれません。様々な生き物を育てたり一緒に暮らしたりする中で自然を取り戻していくことが孤独を取り払うことかもしれません。
子ども達には、この先の未来で何が起きても逞しく生きていってほしいと思います。私たちが大人として何を譲れるか、真摯に正対していきたいと思います。
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以前、母に私の名前の由来を「たくましく、優しい子」に育つように名付けたと聞いたことがあります。果たして期待に添えているかは分かりませんが、今こうして知らない土地で人に出会い、話をさせて頂いていると、いかに守られた中にいたかを実感します。困ったとき助けを求められたのは、はじめて外に飛び出したからなのかもしれません。頂いた名前に恥じぬよう、生きていきたいと思います。【●】
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現在も田舎を本拠地にしているため、都会から戻る度にリセットできます。今でもエアコンなどに頼ることも少なく、比較的昔ながらの生活をしています。田舎では、自然と共生しなければ生きていけませんが、それでも「便利さ」はどんどん忍び寄ってきます。この「便利さ」をどこまで取り入れるか？！生きる力を弱らせないように注意したいと思います。
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「自然はエコではなくワイルド」という言葉から、自分がいかに自然から離れて生きているのかに気づかせて頂きました。「大自然」などというキーワードを見ると高原のような癒しの場所を真っ先に思い浮かべてしまうのは所詮その程度の認識なのだと思います。本来の厳しさを知るほどに、本来の有難さを感じられるのだと思うと、無理に一日を大切になどと意識するよりは、厳しさも含めた本来の自然をもっと感じられるように生き方から変えていく必要性を感じます。
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父と母からいただいたこの命をどのように輝かせるか。それは、生き方が「自然」であり「野生」を生きることなのだと学ばせて頂きました。ちょうどタイムリーに先日、自分の名前の由来の事も教えて頂きましたが、調べてみるとその「この国に生まれた者」という事やその存在そのものについて、まだまだ自分の由来を知らないことに気づきます。自分の中にあるワイルドハートを学んでいきたいと思います。