私たちの暮らしという概念が大きく変化してきたのはいつからか。それは明治以降ではないかと思います。そもそも江戸時代までの農村では、共同作業を必要とする暮らしの中から結いという互助の仕組みが中心でした。
しかし明治になると近代的な経済制度や協同組織が発達し、大正・昭和には福祉制度や国家の地域組織も形成されていきました。戦後は、社会保障と経済成長によって暮らしが豊かになり、農業の機械化や都市化によって、伝統的な共同労働の必要性が減少してきました。今までの結という互助の仕組みが地縁・血縁による関係とは異なる、市民活動やNPOなど、新しい助け合いの形が出てきました。
これは一つの社会の変化ですが、これからは人口減少、少子高齢化、地域の担い手不足などによって家族、行政、市場だけで解決できなくなってきています。
新たにどのように互助を創っていくのは今の私たちに直面する大きな課題です。この互助が次第に衰退していくのは暮らしが衰退してきたからです。暮らしが失われていくとともに互助の仕組みは減退する。これは歴史が証明しました。
だからこそ私は、暮らしフルネスを提唱しその暮らしを通して互助を甦生させようとしています。人々が共に生き、暮らしを守り、次の世代へつないでいくためにも「育つ場」が必要です。
むかしは田畑を耕し、水を守り、収穫を分かち合う中で、暮らしが自然に結びついていました。便利さや効率を求める中で、共に働く必要が減り、人々の関係も薄れてきて暮らしが途切れてきました。
この暮らしが途切れると、土地が守られず、文化が継承されず、互助が失われ、育つ場も消えていきます。
結いが機能しなくなるのは、助け合う暮らしが機能していないのと同じです。だからこそ、制度や仕組みや専門家がやることではなく一人ひとりが暮らしに取り組み、新しい関係性や繋がりを甦生していくことで場も甦生します。
場づくりは、地域甦生であり、関係の甦生であり、結いの甦生です。
来週もまた、場づくりに取り組んでいきたいと思います。
