いのちの見守り

昨日、福岡県八女市にある松延工芸さんに井戸桶の納品の件でお伺いしました。桶づくりの場所はどこも美しく、長い歳月、真心を籠めて練り上げた場が調っていました。あの居心地のよい場は、作り手と桶の関係性を実感できる美しい場所です。

特に手作りでモノづくりをするというのは、一つ一つのモノを新たないのちを甦生して世の中に送り出していくことに似ています。言い方を換えれば、わが子を産みその子の成長を見送る場でもあります。

私たちの人生にも一生があるように、モノにも一生があります。良縁にめぐり逢い、仕合せになってほしいといつも願うものです。私も今は法螺貝の甦生をしていますが、法螺貝が誰に出会い、どのような場所に同行し、どのような音を鳴らし、そのパートナーとの一生を遂げるのかと思うたびに心を振るわせています。

それはモノではなく、いのちとして見守るのです。

これは別にモノに限らず、植物たちや動物たち、虫たちとも同じです。どのような一生を送るのか、その瞬間瞬間が善いものでありますようにと接していくのです。役目が終わったものに新たな生を配慮する。それが私の使命の一つです。

そして手で触れたものを浄化していく、さらに好循環するようにとご縁を結い直していく。そこに歓びを感じるものです。

自分の手掛けたことが、どのように新たないのちとして甦生されていくのか。

丁寧に行く末を見守っていきたいと思います。いつか終わりが来る日がきても、戻ってきて供養して新たないのちに転換させていけるように祈ります。

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