本懐を遂げる勇気こそ精進

人は、それぞれに感情をコントロールするのが難しくなかなか自分の価値観を抜け出せないものです。いくら全体にとって何が善いかを理念を定めてみても、それよりも感情の方に流されてしまえば何が正しいのかを見失い苦しんでしまうものです。

特に人間関係というものは、苦しみの中では常に上位に存在していてそのことで悩んでいる人が多いのも事実です。

自分を変えるということは、自分自身が勇気を出して日々の中で省みて実践していかなければなりません。どうしても自分を変えようとする前に、相手を変えようとしたり、自分と向き合うよりも向き合わなくていい方をとってしまうものです。

それは日々の小さな向き合いができないときに起きるように思います。大きな出来事があったときに乗り越える力となるのは、日々の小さな向き合いという努力と精進があってこそのように思います。

ここまでやったのだから仕方がないと思う事であったり、自分はこれだと信じて遣り切ったのだからこれで善いとか、信念を持って理念を貫いたのだから後は天にお任せしようという境地に達するように思います。それもまた、自力を尽くしてその時の自分の最善であったかと今を真摯に遣り切るしかないように思います。

過ぎたことを悔やむよりも、当下一念、今を正しくしていくしかないのが自分に与えられた唯一の人生だとも思うからです。逆境や困難は必ず何かの意味があり、そのものが渾然一体になったときいのちが奮い立たされ、福に転じることができるまで遣り抜けば、「あれは天からの贈り物であった」とご縁あった全ての人がいつの日か気づくことができるように思います。

東井義雄さんに日々の実践の背中を押してもらえる言葉にとても勇気をいただける詩があります。

『「小さい勇気をこそ」

人生の大嵐がやってきたとき
それがへっちゃらで乗りこえられるような
大きい勇気もほしいにはほしいが
わたしは
小さい勇気こそほしい
わたしの大切な仕事をあとまわしにさせ
忘れさせようとする小さい悪魔が
テレビのスリルドラマや漫画にばけて
わたしを誘惑するとき
すぐそれがやっつけられるくらいの
小さい勇気でいいから
わたしはそれがほしい
もう五分くらいねていたっていいじゃないか
けさは寒いんだよと
あたたかい寝床の中にひそみこんで
わたしにささやきかける小さい悪魔を
すぐやっつけてしまえるくらいの
小さい勇気こそほしい
明日があるじゃないか
明日やればいいじゃないか
今夜はもう寝ろよと
机の下からささやきかける小さい悪魔を
すぐやっつけてしまえるくらいの
小さい勇気こそほしい
紙くずがおちているのを見つけたときは
気がつかなかったというふりをして
さっさといっちまえよ
かぜひきの鼻紙かもしれないよ
不潔じゃないかと呼びかける
小さい悪魔を
すぐやっつけてしまえるくらいの
小さい勇気こそわたしはほしい
どんな苦難ものり切れる
大きい勇気もほしいにはほしいが
毎日小出しにして使える
小さい勇気でいいから
それがわたしは
たくさんほしい
それに
そういう小さい勇気を軽蔑していては
いざというときの
大きい勇気もつかめないのではないだろうか。」

この詩は、謙虚に実践を積んだ含蓄のある大変意義がある境地のように思います。

理念や大義を掲げて遣り切るならば、それぞれが自分の信じた道を貫くことこそが尊いと思います。そうして小さな勇気を奮い立たせていくのが自分の人生のようにも思います。

これしかないと思いを定めた以上、勇気を奮い立たせて遣り切っていくことで本懐を遂げたいと思います。

  1. コメント

    明らかに敵と見えるものには、意外と立ち向かうことができるのですが、味方を装った小さな誘惑に負けることが多いものです。「自分に都合のいい解釈」や「同情を装った言い訳」といった「己心の魔」には、つい負けそうになってしまいます。「悪魔は人を誘惑するが、怠け者は、自ら悪魔を誘惑する」といいます。毎日が、この「怠け心という己心の魔」との戦いです。

  2. コメント

    目標を掲げ行動していると、ちょっとした準備の差や詰めの甘さに目標に対しての意識が行動に現れることを実感しています。気づいた点を修正していくことが今やるべきことなのだと感じています。誘惑に駆られますが、次の一歩のために自分を戒めここからはじめていきたいと思います。

  3. コメント

    勇気や自信は無いところから振り絞るよりも、生き方を決めるとセットでついてくるものなのだと学びました。ただ、私の場合、一回でも出来ないと自信を無くしてしまいます。何割できたかと見てしまうと、自信が揺らぎます。その見方をやめ、出来た事を積み上げて数えていく見方を大切にして行きたいと思います。毎日の精進と積み重ねが、勇気と自信に繋がる。シンプルですが、忘れないようにしようと思います。

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