運のいい人

現在のパナソニックの創業者、松下幸之助氏は人を採用するときに運がいい人かどうかを基準にしていたといいます。「あなたは運がいい人ですか?」という質問で運が悪いと答えた人はどんなに優秀な人でも採用しなかったといいます。

それにはこだわりがあり、松下幸之助氏はこういいます。

「わしは運命が100%とは言っておらん。90%やと。実は、残りの10%が人間にとっては大切だということや。いわば、自分に与えられた人生を、自分なりに完成させるか、させないかという、大事な10%なんだということ。ほとんどは運命によって定められているけれど、肝心なところは、ひょっとしたら、人間に任せられているのではないか。」

この「運のいい人とはいったい何か」ということです。

人はどこで生れ落ちるかも性別もどのような姿で出てくるのかはわかりません。与えられた場所で与えられた役割を果たして地球の中の生命の一つとして循環していく存在ともいえます。

自分に与えていただいたものを選んでいる人というのは、自分を誰かとの比較によって運の良し悪しを判断していくものです。どんな天命があって何をするのかは自分ではきめられないのだからそこに不平不満を言っても仕方がないともいえます。

運が悪くなるというのは、自分の運に対して素直になれず不足ばかりを思うことで運を高めたり伸ばしたりすることができなくなります。実際に運を伸ばす人はどのような境遇にあったとしてもそこに幸せを感じて豊さを周囲に広げていくものです。

もしもそういう人が集まれば、自然界の豊かな生態系がイキイキと働くように幸運の楽園ができていきます。もしも不平不満ばかりを並べてはいつまでもないものばかりを数えてあるものを観ようとしなければ運が悪くなっていくものです。あるがままの生き物たちは生きる力があり元気があります。

天が与えてくれる機会やご縁に対して謙虚に「何を教えてくださっているのか?」と自分自身を見つめる人は運を伸ばしていくことができます。そしていつもその自分に与えられた運に感謝できる人は運を高めていくことができます。

運のいい人というのは、なんでも自分がやったとは思っていません。それは出来事は運に由って行われその運に対して学んでいく人であるから自他ともに運のいい人になるのです。だからこそ自分は運がいいと言える人は、どんなことからも学び成長して道に入り目的を成就させていくように思います。

そしてその運の要素として運を「待てるか待てないかは信じる力に由る」ように思います。その信じる力がある人は運のいい人であり、信じることができない人は運を活かせない人ということになります。運を伸ばし高め活かせる人、つまり運を信じて待てる人こそ運のいい人であり、きっと松下幸之助氏はこの運のままに生きた生き方を貫かれた人物だったのではないかと私は感じました。その運を待つためにする努力こそ、人間に与えられた精進ではないかと思います。

最後に松下幸之助氏のことばです。

「成功は自分の努力ではなく、運のおかげである」

運の御蔭であるといえる人生は幸福です。子どもたちのためにも引き続き運命に対して選ばない生き方を実践して信じる背中を見せていきたいと思います。

  1. コメント

    「あなたは運がいい人ですか?」の一言には、自己都合のついてる・ついてないという意味とは違う次元のことを感じます。一か八かの運試しのような生き方もあるかもしれませんが、堅実に着実に歩む中で感じる日々の喜びもあります。日々の些細なことでも発見や驚きに歓喜できる、これは運がいいことなのだと感じます。

  2. コメント

    幸之助さんは、「舵となる10%での人事の尽くし方いかんによって、90%の運命の現れ方が異なってくる。生き方次第で、自分に与えられた運命をより生かし活用できる」と仰っています。自分の人生に愚痴を言う人は、90%の運命に文句を言い、10%の努力をしません。10%というと少なく感じますが、「この10%の中に無限にやれることがある」と思えるかどうかが勝負ではないでしょうか。

  3. コメント

    運を自分の為に使ってはいけないよ、それはご先祖さまが積んできたものだから。そう教えて頂いたことを思い出します。喜んでもらう為になら運は廻りますが、自分が喜ぶ為にだと運は減っていくように感じます。運の良さを履き違えないようにありたいと思います。

  4. コメント

    「必ず人は死ぬものだと悟れば、一日生きれば一日の儲けであり、この身も家も無いものだと覚悟すれば、全てがみな儲けである」と仰る尊徳翁の人生の受け止め方は衝撃的でしたが、そのようであれば本当は誰もが運がよく、幸せに生き合えるのだと思います。何事も覚悟次第、福として全てを捉えていきたいと思います。

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