世代交代 役割交代

世代交代や役割交代という言葉があります。どちらも交代するときに使う言葉です。これは位置や役目が代わることをいいます。これは人だけではなく物でも同じく、この世にいる以上、変化や進化の過程でそれぞれの人たちで交代しながら歩んでいます。

たとえば、私たちは赤ちゃんで誕生します。その時は、祖父母も両親もあるいは親戚もあります。成長していく過程で、今度は自分が親になり、孫を持ち、親族にもなります。家であれば、古民家などは代々何百年もそこに住んでいますからある時は、商家になり、ある時は治療院になり、またある時は隠居する場所になりとその時々の時代の流れに合わせて役割を変化していきます。

基本や基礎になっているものは変わりませんが、明らかに世代や役割は交代していくのです。これは肉体の機能なども同様です。事故などでもしも自分の肉体の一部が損傷したらそれを補うように他のところが交代します。私は右後十字靭帯が断裂していますが、それを補うように筋肉がその役割を果たします。肉体全体を維持し、生活を保つためにそれぞれが役割を交代するのです。

そして世代というのは、変化し続けるこの世の真理や道理の中で時間の経過と共に変わっていく存在だからこそ世代もまた交代が必要です。自分が最前線で第一線でいつまでもやっていけるかといえば、高齢になり病気をするようになり脳の判断も落ち、活動量も下がれば同じようにはいつまでもできません。そして企業や組織は自分よりも長く生きていくのならば必ず後人を育てていく必要があります。自分がいなくなっても、そのあとを続いていく人たちは道をつなげていくからです。

むかしは、隠居というものが文化として存在していました。水戸黄門などもご隠居なり呼ばれていましたが、実際には隠居して陰ひなたから後人を見守り支える存在になるということです。

見守るということを実践していくと、必ず自分の進退や隠居にも正対する時がきます。人生はいつどんな時にどのような結末を迎えるのかわかりません。だからこそ、信じた道を、あるいは仲間や後人を信じて見守る生き方をしていきたいと思うのです。

子どもの仕事をしていると、子どもの将来のためにいのちを懸けられることの喜びを感じます。子どもたちが成長し、自分の仕合せを謳歌していく姿を実感できるのは自分のことのように有難く思うものです。

古い道具たちや家と暮らしながら、同じような気持ちになりますが必要に応じで智慧もあれば、役に立つこともある。出番を待ちながら、いい仕事、いい人生を実践していきたいと思います。

  1. コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です