私たちは精神や精気、精力のように元氣や活力があるものがあって活動していきます。元氣な人は、「精」があるともいえます。精を出すや精魂込めるとか、精進、丹精、精一杯とか色々な言葉もあります
この「精」というものの正体は何かということです。
精の漢字の由来は、米と、音符靑 (セイ)とから成ります。これはきれいに精白した米の意を表していてそこからひいて、すぐれている、きよいなどの意味になるそうです。また意味には、清らかや優れたもの、気力や神霊、純粋などの意味も含みます。
漢方ではこの精は生命エネルギーのことを指します。例えば、先天の精とは主に父母(両親)より受け継がれた精のことを指し胎児の原始的物質で生命が誕生する本源となるといいます。精があって人間が象られるということです。その先天の精は基礎として、後天の精というものがあります。
後天の精は日々の飲食を通して消化吸収を行ってエネルギー源を作り出していく臓器によって消化吸収をしていくものです。これを「水谷之精」といい、先天の精と相互に促進補助しながら人体を維持します。これができなくなると、精虚となり様々な病気になります。
つまり精が失われると病気になって死んでしまうというものです。中国の漢方や仙人の伝承には、この精気を高める食べ物や薬草のことがたくさんあります。滋養がつくもの、腎臓を元氣にするもの、色々とあります。
英彦山の薬草園では、この「精」に注目し精のあるもの、精のつくものを薬膳などに取り入れます。
仙人の智慧を遊びながら精進し、植物と共生していきたいと思います。