煙との関係

現在、英彦山の守静坊に薬草を使った石風呂サウナをつくっていますが煙の扱いに苦戦しています。備長炭でつくった場の道場の時は、火を消してからの余熱で入るものでしたが今回は倒木など、森のお手入れでたくさんの木々を燃やすために燃焼しながら石風呂サウナに入る仕組みにしています。するとどうしても煙の問題が出てきます。

そもそも煙と何か、これは一般的には物が燃える時に発生する、軽くて目に見える気体の集合体のことを言います。簡単に言えば、不完全燃焼で燃え切っていない微粒子が空気中に漂っている状態です。有害物質を含むものがある場合は、特に健康被害が出ます。都会にいけばタバコをはじめ、排気ガスやダイオキシンなど日常的に煙は私たちの周辺でみかけます。

だからといって完全に害悪というわけではありません。人間は、お香にしたり蚊取り線香にしたりと工夫して使っています。煙も天然由来の成分で少量ならかえって効能があるということでしょう。人工物で大量になると有毒ということです。

現在、何度か薬草石風呂サウナを試していますが一酸化炭素測定器を使います。ほんの小さな隙間からも煙は入ってきますし、一酸化炭素を排出してきます。特徴的なものは、煙や一酸化炭素は上の方に溜まり下の方にはあまりありません。

火災の時は頭を下げて地面ギリギリにというのは測定器を使えばすぐにその道理がわかります。実際に火災で亡くなる人のほとんどは煙です。煙にまかれて視界が遮られ、また一酸化炭素が血中のヘモグロビンと化合して酸素を運搬することができなくなり意識を失い呼吸が止まります。

一酸化炭素中毒の初期症状は、軽度な場合、軽い頭痛やめまい、吐き気、疲労感などが現れるといいます。これらの症状は、血液中の一酸化炭素濃度が上昇し、酸素の供給が不足することで引き起こされます。そのまま症状が進行すれば頭痛が激しくなり、判断力の低下やけいれん発作、意識消失、低血圧で昏睡症状になるというプロセスです。

早い段階で気づくことができればいいのですが、気づき難いのがこの一酸化炭素中毒です。私はよく炭を扱っていますから少し隙間を開けたり、古民家であれば隙間があるので様子をみながら煙を使います。

煙は古民家にとっては家の寿命を延ばし、虫やカビなどの発生を抑制します。よく煙を浴びていることが多く、煙は有害といわれても煙は友達のように親しい存在です。煙を浴びた身体は、木材のタールなども沁みこみ皮膚病などを予防するともいわれます。防虫効果が高く、蚊やハチ、ブユなども寄り付きません。

煙の余韻は、そこで暮らす人たちの薫も育てます。この薬草石風呂サウナの御蔭で、山での暮らしが一気に豊かになりました。

煙は危険ですが敵ではない。丁寧に煙と向き合い、場を調えていきたいと思います。

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