花は桜木

今朝の雨で枝垂れ桜の満開のお花も散り始めています。花は儚く、風情があります。人は美しいものに儚さを思うものです。同時に、散り際の美しさはその輝きを増していきます。

この枝垂れ桜のある場所は、お水が豊富です。水分が多い谷だからこそ、花びらがよりキラキラと透明感を増しています。それがこの春分の時季の太陽に照らされひらひらと舞い落ちる様子に光が反射してより澄み切った雰囲気を醸し出します。

また散っていく花びらの後に、新芽が出ています。新芽が出るために花が落ち着ていくのか、花が落ちて新芽が出るのか、その一期一会の美しさもあります。

特に美しいのは、雨上がりの後の穏やかな気配に包まれた桜の存在です。

まるで刻が止まったかのように静寂に包まれ、重力が失われたように力が抜けて場が和らぎます。季節の移り変わりを眺めることは、いのちの循環を見つめることに似ています。

英彦山の深山幽谷にある孤高の一本桜というのは、そこに在るだけで時を超えた繋がりを感じるものです。

お花が散る最中の美しさに魅了されたご縁のある方々が何かを感じて静かに見つめています。

一休宗純の言葉が思い返されます。

「花は桜木、人は武士、柱は桧、魚は鯛、小袖はもみじ、花はみよしの」

桜木の徳を味わいながら残りのひと時を永遠に。