韓国の薬草文化を深めていると色々と気になることがあります。例えば、韓国と言えば焼肉というようにあまり薬草のイメージがありません。改めて食文化がどのように発展してきたのかを調べていると面白いことが分かってきます。
例えば、韓国は1900年くらいまではほとんど肉食をしていません。戦後にタンパク不足や栄養が必要ということで、高度経済成長の発展と共に肉を食べるようになってきます。焼肉は、日本と韓国で融合した食文化で日本ではタレで食べ、韓国では保存用のタレに漬けた肉を食べます。これが今では融合してどちらも食べられます。
本来、日本も明治以前までは牛肉などは食べていません。ほとんどが菜食の暮らしです。私たちが今当たり前に食べている食文化は、ほとんどが70年くらいしか経っていない新しい文化ということにんります。
最近では、肉を食べていない日がないのではないかというほどにどの食事にも肉が入ってきます。先日、オランダからビーガンの方が来て旬の焼き野菜やきのこなどでおもてなししましたが日本に来てからあまり外食で食べるものがなくて困っているという話もありました。
そもそも薬草は昔は特別なものではなく、当たり前の暮らしの中に存在していたものです。それが経済成長というお金中心の世の名になってきたことで、人気がなくなり、都市化して周囲に薬草を採集する場所がなくなり今に至ります。スーパーなどでも薬草が売られていることはほとんどありません。一部の道の駅や田舎でたまに見かけるほどです。医療が西洋化し、自己免疫や自然治癒ではなく薬や外科手術等により治療することが当たり前になってから余計に薬草は消えていきました。
かつてはそんな医療もありませんでしたから、日頃から免疫を下げないよう、また自然治癒力が高まるように医食同源として食文化に心身が調うものを取り入れてきました。
たとえば、食べることで体を温めるもの、冷ますもの、気を巡らせるもの、血を補うもの、消化を助けるもの、毒を抜くものというふうに食材を見ては組み合わせて調理するのです。
ただ美味しいだけではなく、どのように心身に影響を与えるかを検証するのです。むかしの味覚は、薬を判別する大切な感覚だったのでしょう。
苦いものは解毒・調整、香りが強いものは巡らせる、粘りは潤し、辛いものは 発散させる、根菜は補う、支える力があるとされました。そしてその自然の素材を最大限活かし、毒を調和し薬にするために、茹でる蒸す干す発酵させる煎じる漬ける砕く和えるという仕組みで調理しました。その調理方法一つで、毒が薬になったのです。
日頃から、気候の変化、心身の調子をよくよく観察しながら病気にならないような暮らしをしていく。まさに食文化とは先人が生き残るために工夫してきた智慧の結晶でもあります。
食べたいものを食べる時代、薬草は調理も面倒だし美味しくないもののように扱われます。しかしそうやって疎遠にしておいて病気になって、大金を支払って身体をめちゃくちゃにしていくのでは本末転倒です。
先人の知恵を子孫へと繋ぎ、バトンを渡すためには私たちが食文化として暮らしの中で日頃から薬草に親しむことが大切です。
薬草の持つ徳を味わいながら、子どもたちに伝承していきたいと思います。
