場づくりの思想

場づくりに目先のメリットと長い目で観たときの推譲があるように思います。これは循環の見方の問題です。循環を個人の損得で推し量るか、あるいは循環を全体最適で推し量るかに似ています。

前者は、自分という個を主軸としてよいかわるいか、得か損かを考えます。しかし後者は、悠久や普遍的な時間軸で、徳が循環するかどうかを考えます。実際には、その短い目と長い目というものの見方次第で影響の出方が変わるだけです。

例えば、短期的なメリットがあったとしても長期的にはどうかというもの。これは環境をはじめ食生活などもわかりやすく結果が出てきます。

現代は、便利で効率的な経済ばかりが発展していますから短期的なメリットで覆いつくされているものです。その結果、副作用の多い薬ばかりを摂取するような状況になり後で修復が難しいほどの事態になりうるものもあります。よくあるウイルスや害虫と呼んでいるものも過剰な薬の投与で耐性をつけてしまい手も足も出ない状況に陥っている場合も増えています。

得ても返って損をするというものをよく吟味しないといけません。そうなってくると長期的なメリットを優先した方がよいという場合が増えてきます。例えば生活文化や生活習慣などは、目先は損をしたようでも長い目で観ると大きなメリットがあるものがあります。

場づくりはこれにとても似ているのです。

畑や田んぼでいえば、収量や収穫を短期的に増やそうとすると化学肥料や農薬が便利です。大きくなるし増えるし、虫もいなくなります。しかしその分、土が次第に汚染され浄化が追いつかずに痩せていきそのうち育たなくなっていきます。また作物にも影響が出て、食べた人の身体にその成分が入ります。これは場づくりの質が生態系全体ではないことはすぐにわかります。

しかし長期的に取り組もうとすると、農薬や化学肥料を使わずに自然の循環に従って共に土を発酵させるように見守ります。すると、次第にそこには徳が循環するような場が産まれ虫も増えますが増えすぎず共生し、微生物のバランスも安定して、植物を含め、人間も不自然さが消えて共に育つ場ができます。

これが私の取り組んでいる場づくりの仕組みです。

短期的に見ると、すぐに1,2年で結果が出る方が安心するし可視化できます。しかしそのあと、次第にやせ細るように生態系も貧しくなります。

長い目と生態系全体というのは同じ意味でもあります。

子どもたちが育つ場というのはどういうものか、そこには自然の真理や万物普遍の法理というものも働きます。畑や田んぼなどは10年も取り組めば明確にその答えが出ます。子どもたちのいる場もまさに同じです。

場ができれば地域も育ち、人も育ちます。

場づくりの思想を、カタチにして仲間や同志に弘めていきたいと思います。