導きの法螺貝

昨日も英彦山の守静坊で新しく法螺貝を吹く羅漢とご縁をいただきました。もう少しで百羅漢ですが法螺貝の御蔭さまで多くの志ある素晴らしい方々に出会えたことを改めて感謝するばかりです。

もともと法螺貝をはじめ貝というのは、神話の時代より人類と共に歩んできた大切なパートナーであり師であり先達です。貝によって人生が導かれ、貝によって守られるという不思議な体験を持っている人たちがたくさんいます。

私自身もまた法螺貝によって守られ、螺旋の道を歩んでいくことができています。よい波動や共振、倍音をはじめ宇宙を包み込む螺旋の法則を身近に味わい暮らしがとても豊かになりました。

世界の貝との関係をよく観察するとどのように貝と人類が道を歩んできたのかが垣間見ることができます。

例えば、スペインのサンティアゴ巡礼では、ホタテ貝が巡礼者の象徴であり、今も道標として人々の進む方向を示しています。さまざまな場所から歩いてきた人々が一つの聖地を目指すことから貝こそ旅の象徴となっています。西アフリカでは、タカラガイが富や生命の象徴となるだけでなく、占いに使われています。貝によって現れた形を読み、自分が置かれている状況やこれからどう生きるのかを考える象徴となっています。インドでは、シャンカ貝はが神聖なものとされ、その音は神々や聖なる世界と結びつき道の覚醒の象徴となりました。

他にも世界では貝に纏わる伝説をはじめ、今でも伝統として大切に関係を続けているものがあります。単なる貝は食べるものではなく、貝によって導かれ助けられた特別な存在として今も歴史に息づいています。

日本では貝は甦生や再生の象徴となっています。古事記において、大穴牟遅神は、兄たちの策略によって焼けた大石に押し付けられ負傷し生命が途絶えます。そのとき天上から遣わされるのが、キサガイヒメとウムカイヒメという二柱の貝の女神です。キサガイヒメは失われた身体を集め、そしてウムカイヒメはそれを受け取り、母の乳汁をもって生命を再び満たし甦生させるのです。大穴牟遅神「麗しい壮夫」として新たな姿を得て再び歩き出すとあります。貝がいのちを甦生させ、新しい存在にしていくのです。

この物語こそ、私が法螺貝を英彦山でつくる理由であり本来のいのちを甦生させようとする試みでもあります。死んで終わりではなく、いのちがカタチを易えて別のいのちとして甦生するという循環の妙です。

今の日本があるのは日本の神話に登場する二柱のキサガイヒメとウムカイヒメがいのちを導いてきたから今があります。

法螺貝の声を聴きながら、その徳が循環するようにこれからも精進していきます。