甦生

法螺貝のことを本氣で深めていると、この世の原理原則を司る大切な存在であることがわかります。これは法螺貝に限らず、この世の貝という存在を人類がどう観たかという根源的な問いになります。

そもそも貝は、何をしているのか。

閉じたり開けたりしながら呼吸をします。そして空間の中に身をいれて呼吸します。それが失われた後の存在が貝殻です。その貝殻を用いて新たないのちを甦生し人類が活用していきます。

世界では貝はどのように活用されてきたか。日本では、死者を生へ甦生します。インド・チベットでは、神聖な音によって教えや秩序を響かせます。ギリシャでは、海から女神を誕生させ、メソアメリカでは、貝から風・息・雨という生命力が出てくると信じられます。アンデスでは、貝そのものが「海の娘・水の母」と呼ばれ、雨と豊穣をもたらし、アフリカでは、人間の運命・繁栄・神意と結びつけます。エジプトでは、豊穣と守護。ポリネシアでは、暗い祖先界から神々をこちら側へ呼び出す存在。マオリやマルケサスでは、貝の音が誕生・到着・出発・危機を告げる道具です。

貝は世界の境界線を結び繋ぐ、間にあって別のいのちといのちを調和させている存在のようになっています。貝は通じるのです。

仏教では、空間の中に「彼岸と此岸」というものがあります。あちら側とこちら側です。二つの世界で一つであるという観念です。

この宇宙はすべて「二つで一つ」になって存在します。

例えば、お水も二種類のものが調和して安定します。これはお水だけではなく火も、木も光もあらゆる元素は二つで一つになるから私たちはその存在を観ることができます。人間でも、生死があり陰陽あり、男女ありとあらゆるものは二つの存在の境界線を結ぶ「境地」によって着地するのです。

貝という存在をよくよく深め観察すると、貝殻を通してあちら側が響きます。法螺貝であれば、息を吹き込むことで出てくる音の響きは貝の中の空間を通して「こちら側があちら側」の世界へとつながります。

この螺旋の神秘は、宇宙の原理を象ります。

そのうち物理学が証明するのでしょうが、ブラックホールもまた同様にあちらとこちらを結ぶ境界にあるものです。

この境界の境地とは何か、それが「甦生」なのです。

私が取り組む甦生の定義は、この螺旋の空間の妙味を磨くことです。

そろそろ法螺貝づくりも百を超えます。私にとっての法螺貝は、甦生の境地の伝承の一つです。どれだけの人たちが甦生の境地に至ってきたか、縁起と刻が経過していくのを見守れるのが仕合せです。

皆さんに大和魂の循環と仕合せの螺旋の波動が共鳴するようにいのります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です